恐竜の骨を埋めたる砂場にて消しゴムのかす集めて帰る #短歌
何者にもなれない僕だけど今日の風だけは誇らしく吹く #短歌
スーパーのレシート細く丸めてはポケットの奥に忘れてしまう #短歌
青いシートに並んで座りお互いの胸のざわめきただ聞いていた #短歌
天井の高いところに引っかかっている星を指さして君は笑った #短歌
白菜の刻む音聞きながら引く 甘い言葉のつづきはどこだ #短歌
雨粒をひらがなとして拾う指 あなたに触れる練習みたい #短歌
夕凪にほどけるリボン見つめれば夏は何度も生まれてくれる #短歌
帰り道缶コーヒーだけ甘くして明日もわたしはちゃんとわらえる #短歌
夕暮れの終わりをほどくと風が鳴り君のとなりでそっと息する #短歌
思い出はすり減るものか磨くもの どちらにしても昔のことです #短歌
思い出は磨くと光るらしいけど僕のはたぶん靴底にある #短歌
口座の数字が減るたびに僕は少しずつ消えてゆく #短歌
洗いたてみたいな風が窓から来て昨日のことを忘れてしまう #短歌
生きる意味なんて難問より先に手を振る事が成立している #短歌
その静かな歩幅を夜に溶かすまであなたの手をそっと握りしめる #短歌
コンビニの青いあかりが薄まって僕らはすこし街に許される #短歌
どこへだって行けるはずなのに僕たちはここでただコーヒーを飲む #短歌
やさしさは磨けば増えるものなのか 月を抱いたら眠れるものが #短歌
免税店のまぶしい光のその端でふたり無口にパンをかじった #短歌
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