赤ちゃんと手を振るだけの数秒を無駄というには惜しい人生 #短歌
かつて誰かを愛そうとしたその文字が喉元すぎて冷たい風だ #短歌
ああそうかあれは僕だった あんなに透明であんなに酷い生き物だった #短歌
ヘッセの詩読んでた頃のぼくよりも今の僕の方がずっと孤独だ #短歌
文明の焦げつく匂いを避けてゆく この小さな影が私の正義 #短歌
クローバー4つ探すふりして本当はやわらかな日のなかにいたくて #短歌
幸せはたぶんこういう誤解です 芝生の海を渡れる午後の #短歌
喉を通らない言葉のかわりに土に祈りを埋めにいく午後 #短歌
高解像度の夏に負けてるわたしからわたしのノイズが剥がれてゆく #短歌
主人公じゃないと知ってるはずなのになぜ汗まで演技みたいになるんだ #短歌
ペットボトル握る指先熱くなり夏の予告編みたいな午後だ #短歌
出席簿にない名前でも風だけはちゃんとこちらへ吹いてくる午後 #短歌
黒板の端で揺れてる日付からこぼれた風を集めて帰る #短歌
「その他」に丸をつけたい靭性でカーテンばかり見ていた授業 #短歌
プロフィール欄の空白みたいな日 グラウンドを吹く風だけ自由 #短歌
赤い錆 わたしの皮膚を侵食してあなたの鉄を焦がす夜 #短歌
だいたいはみんな善人なのになあ 人は争い合うものだから #短歌
サブスクの節約画面閉じるたびあしたのぼくが課金されてる #短歌
やわらかな毛布のタグを撫でながらほんのとのことを少し眠らす#短歌
嘘をつく自由を先に買ったから真実だけが高くなってる #短歌
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