傘持たぬ理由の奥で濡れている名づけられないやわらかな部分 #短歌
致死量の自由という語 置くことですでに何かが過剰になってる #短歌
ぱたんって閉じてちょっとさみしいね でも甘いのだけ残っているよ #短歌
許すたびかたちを失うものがあり名もないままに風へ流れる #短歌
時間って外にあるんだね ほんとはね だからちょっとだけ走ってみる #短歌
進行の外側にある静けさを抱えてもなおも手をのばすひと #短歌
おかえりを言わないルールにした夜は泡みたいだね消えても残る #短歌
二次元ってほんとはどこまでなのかな ぼくはまだ外を知らない #短歌
冗談であるあいだだけ守られるかたちにならないやわらかい距離 #短歌
線だけでできた空へと目をあげて静かな奥行きを見つめている #短歌
物語終えしのちにも降りつづく花のしずけさだ真に触れたり #短歌
さよならのかたちに似てる手のひらをそっと閉じれば夜がほどける #短歌
やわらかいものって逃げるの上手だね だからすこしだけ笑っておく #短歌
鍵穴に残したままの体温が帰らぬひとをまだ待っている #短歌
夢の中 雨は降らないはずなのに着信みたいに胸だけ濡れる #短歌
言葉にしない約束みたいな夜であなたのいない方へ息を置く #短歌
洗ったばかりの水がまだ光ってふたりの赤を並べる #短歌
もし水がしゃべったら呼んでくださいと冷蔵庫の前で番号が待つ #短歌
地獄とは名づけられた比喩でありあんたという他者でかたちを保つ #短歌
あとづけの理由がスポットライトで皿が舞台でフォークが俳優 #短歌
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