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2026年04月29日17:14

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4/26 ライトアップ木島櫻谷�� おうこくの色をさがしに【前期】@泉屋博古館東京

10数年ほど前だったか、再評価とともに知られざる作品が次々と発見され、話題の回顧展を見に行ったのが2018年のこと。動物画と花鳥画の2部に分けての展覧会後、2023年には山水画特集、欠かさず見に行っている。

その後始まった「ライトアップ木島櫻谷シリーズ」では、第1回の2024年には「四季連作屏風」一挙公開して円山・四条派の流れを汲む櫻谷の筆法に着目、2回目の2025年では膨大な量の写生帖を展示して櫻谷の線描の素晴らしさを余すところなく紹介。そして今回が3回目となる。

さすがにもう見たことがない作品はないかなと思ったが、まだあった。そして、見たことがある作品もまた、今回のテーマ「色」に着目してみると新たな発見があり、十分に楽しめた。大画面の華やかな作品だけでなく、味わい深い軸物が充実していて、やはり何度見ても上手い画家だなぁと舌を巻く。

写生帖をのぞいて34点中11〜13点が前後期で入れ替えとなる。撮影可は1点のみで、前期は琳派に準じた《燕子花図》のみ。時期に合わせてのサービスであろう(が、以前もこれだった)。
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この展覧会で工夫されていたのが「配色グラフ」。画面を占める色の割合イメージを円グラフにしたもので、この《燕子花図》では、金と緑と青が、6:3:1の黄金比となる割合で施されているという。なるほど〜。
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https://sen-oku.or.jp/program/t_202604_spotlightokoku3/
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明治後期から昭和初期まで京都画壇で活躍した木島櫻谷(1877-1938)は、日本画における「近代的表現」を模索する中で、京都派伝統の「写生」技術を活かしながら、着色や墨の発色に工夫をこらしました。
櫻谷が生きた時代は20世紀の美術の変革期を挟んでいますから、自然主義や印象主義に共鳴した様式や画題、そして色彩革命に反応した新しい岩絵具への感化などが、櫻谷の作品にも見いだせます。本展では、櫻谷の使用した絵具と色彩表現をライトアップします。時代に応じて色彩の発色の仕方や絵具の質や扱い方の変化を探っていきます。
大正中期に大阪茶臼山の住友本邸の大広間を飾った「四季連作屏風」を含め、写生帖や本領の花鳥動物画や人物画などを特集して展示します。
また同時開催として、公益財団法人住友財団が推進してきた文化財維持・修復事業助成により蘇った作品から、南北朝時代の禅僧の書跡や室町時代の漆工品、さらには櫻谷の写生帖を展示し、文化財修復の最前線を紹介します。

第1章 色彩の妙ー櫻谷の色づかいを追う。

《剣の舞》
「太平記」の「吉野城軍事」を描いたもの。盃を持っているのは死を覚悟した護良親王。体には複数の矢が刺さっている。扇を持って踊る男の右手には生首が刺さった剣。全体的に抑えた色調だが、盃と扇の朱色がアクセントとなって目を引き、それによってどんな場面を描いた絵なのかも理解できるという仕組み。
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《望郷》
初見かな?匈奴に捕えられ北の大地で苦しい抑留生活を送る蘇武を描いた作品。故郷を思い、天に向かって手を伸ばす蘇武のドラマチックな姿が、抑えた色調で描かれ、その色調が北海の自然の厳しさを暗示している。
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蘇武を知らなかったので、夫に聞いたら、中島敦に「李陵」という短編小説があるという。そういえば「山月記」と一緒に文庫本に掲載されていたっけ…

蘇武が手に持っているのは「節(せつ)」と言って、皇帝(天子)の使節であることを証明するシンボル、すなわち、これを持ち続けたということは、信念を曲げずに漢の使者としての誇りを守り抜いたということ。「蘇武持節」という四字熟語があるらしい。ちなみに節にはヤクの毛の飾りがふさふさとついていたが、長い抑留生活でほとんど抜け落ちている。

羊は何を意味する?と調べたら、匈奴から「オスの羊が乳を出したら帰してやる」と無茶難題を言われたという。

歴史画を楽しむには、中国の故事も知っていた方がいいね。ひとつ勉強になりました。

《葡萄栗鼠》(部分)

栗鼠に用いている茶色は5種で赤みを帯びているので、葡萄の葉と補色関係になるので栗鼠が目を引く。
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《厩》
初見かも?暗めのトーンで馬の顔をリアルに描く。白い花がアクセントとなり、よくみるとハラハラと花びらが散る。
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《幽篁老狸》画像なし
狸のおうこく(櫻谷)さんと言われるほど、哀愁帯びた狸が上手い。笹薮の中で振り返る狸。空には三日月より細い二日月。

《孔雀》
近世以前に描かれた真孔雀は首に緑の鱗紋があるが、こちらはインド孔雀で首から胴にかけて青。そういえば江戸以前の孔雀図は全身をこってり、特に尾羽を細密に描いたものが多い気がする。それに比してこちらは胴体の青色とフォルムに着目し、閉じた尾羽はさらりと描き流している。すっきり近代的な印象。
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《菜園に猫》(部分)
糸瓜が生える庭で、白斑の猫が昼寝。白は胡粉で盛り上げるように描く場合もあるが、この猫は白抜き、つまり塗り残しで地色の白を出している。
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《柳桜図》と比較してみる。胡粉で盛り上げた白
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《幽渓秋色》
近代になると、新色の顔料が次々と開発されたという。ここに使われている黄色やピンクもそうで、素晴らしい発色だ。岩の上に豆粒のように見えるものは猿一族のシルエットで、そこに物語もありそう。
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第2章 絵具は語るー大画面に見る櫻谷の彩色表現
濃厚で明快な新開発の絵具と伝統絵具を両方使い、西洋画のようなマチエールの作品を制作。

《獅子虎図屏風》
油彩のような粘り、平筆のタッチなど、青年期の冒険作と言われている。塗り重ねだけで肉体を型取り、ハイライトも効果的に、荒々しいタッチで仕上げている。モチーフは野獣であっても、背景のかすみ表現が全体を典雅な仕上がりにしている。先日、下村観山を見たおりに、竹内栖鳳の獅子虎図を思い出していたので、より興味深い。
単なるイメージに過ぎないが、櫻谷の動物は、栖鳳のそれよりどこか優しげ、寂しげで孤独感がある。
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《鹿図》
鹿も多く描いているが、これは初見?裏箔を用い、余白もたっぷりとって、静寂で優しい、やわらかい画面だ。
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特集展示「住友財団助成による文化財修復成果ー文化財よ永遠に2026」
ライトアップ�兇播玄┐気譴討い紳燭�の写生帖は、継ぎ足し紙の糊が変色、剥がれるなどして展示するのも大変そうだったが、修復が進んでいるそうだ。
《写生帖》より(厩に猫)
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7月5日まで(前期は5月31日まで)



ところで、ホールに飾ってある、北村四海《蔭》という作品を見て、ハッとした。


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近美で、新収蔵品となっていたメダルド・ロッソ《Ecce Puer(この少年を見よ)》↓と作風が似ているのだ。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1992030578&owner_id=2083345&from=list_diary_title
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二人に接点があったのかどうかわからなかったが、キャプションに「日本彫刻における印象主義の到来を告げる貴重な現存作」とあった。こうした発見も楽しい。

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