mixiユーザー(id:2083345)

2026年04月16日18:23

376 view

4/14 春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪【後期】@府中市美術館

【前期】の日記
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1991861854&owner_id=2083345&from=list_diary_title

いよいよ後期が始まった。後期初日に行くと混むかもしれないと内心心配だったが、チケット売り場に行列はなかった。ただし、ロッカーはほぼ全て使用中で、ショップは会計に長蛇の列。私たちの入場が12時半ごろだったので、開館してすぐ入場の第一陣が見終わったところなのだろう。展覧場内は前期同様の混み具合。もっともこれからどんどん混んでくると思うので、お早めに。
フォト


先にショップを覗いたら、前期売り切れだったろせつ犬ぬいぐるみが入荷。↓前期なかったポスカがあったので補充したのだろう。逆に前期あった品がなかったり…よほど売れている証拠だ。
フォト

後期は、蘆雪代表作と言われる串本・無量寺の龍虎図が目玉で、虎と龍の作品がたっぷり。私の好きな「四睡図」が3点も出ていて大満足。驚いたことに、豊干禅師も拾得もいない、寒山と虎だけの「二睡図(原題は《寒山図》だが)」があったこと。へぇ、大胆にも二人を省いてしまうなんて蘆雪らしいなぁ!と思わずにっこりしてしまった。

ただし、前期の狗子図を見逃してがっかりしている人に朗報。後期展示を予定していない(作品リストに前記展示のみの印がついていた)ろせつ犬の図(作品番号114、116、122、124)が4点も引き続き展示されていた。所蔵先のご厚意かもしれない。ありがたいね。

章立ては前期と変わらないが、作品はほぼ入れ替え。応挙との師弟対決は、後期は「鯉」。やはり、応挙の鯉は格別だねぇ、ぬめっとした質感は蘆雪のあっさりした筆数では出せない。そういえば、応挙始祖の円山派は「加筆派」、呉春始祖の四条派は「減筆派」と言われていたんだっけ。そして、蘆雪はどこにも当てはまらない。

以下、気になった作品をご紹介。(画像が見つからなくてパスしたのも多い・涙)

《西施浣紗図》
越王が美女・西施を敵国の呉に送って呉を弱体化したという話で有名な西施。政治利用される前の貧しい娘だった頃を描く。紗を川で洗濯、亀がやってくるところがなんともほのぼの。
フォト

《萩に目白図》画像なし
目白図といえば木にかたまって留まる「目白押し」が可愛いが、こちらは地面に落ちた柿を十数羽のメジロがわいわいと突いている図。こんなメジロ初めてみた。

《寒山拾得図》
奇行の僧も上半身だけアップ、しかもこれだけ大きいと流石にびっくり。迫力あり。横尾忠則氏が好きそうだ。
フォト

《なめくじ図扇面》
画像は前期の《なめくじ図》、どちらも初見ではなかったが、これが扇になるとよほど可笑しい。人を食ったような自由さ。実際使った人はいたかな。
フォト

《絵変わり図屏風》
天明6〜7年和歌山滞在中に描いたといわれる。
4人の和尚、鯨と帆掛船図、牧童図(十牛図より)の貼交屏風。
第1扇は「蜆子和尚(けんすおしょう)」日中は川で蝦やしじみを採り、夜は神祠の紙銭(供え物の紙)の中で寝るという、形式に拘らない生活を送った僧。
第2扇は失念。
第3扇は「丹霞和尚(たんかおしょう)」厳冬に仏像を燃やして暖をとっていたのを咎められるが、舎利の出ない仏は真の仏ではないと応答。偶像崇拝を指摘した僧。火にくべた仏像に尻を向ける。
第4扇は、達磨図
第5扇は、鯨と帆掛船図。下方黒く塗ったところが鯨の背中。その向こうに帆掛船。鯨や象の大きさを表現するとき、蘆雪が時々行う手法だね。捕鯨は串本の名物だった。
第6扇は、悟りに至るまでの道程を牛と牧童で描いた禅画「十牛図」のうちの「騎牛帰家」の図
フォト

《柳と烏図》和歌山・高山寺蔵
烏がこんな細い枝に止まれるとは思えないのだが(笑)蘆雪の描く動物の目はどれもすっとぼけたようで人間味がある。
フォト

《月に水鳥図》
水鳥の体がぐるぐると描かれてているだけ。右上の薄いぐるぐるは水面に映った月なのね。
フォト

フォト

《朝顔に蛙図襖》和歌山・高山寺蔵
以前にも見たことあり。6面の襖に朝顔と竹と蛙があっさり描いてあるだけ。ただ、これがすごい。左から花をつけながら上へ、それから右に伸びていく朝顔の蔓が、襖を2面またいで、蛙が2匹いる細い竹に絡みついているのだ。
ホールに襖の複製と筆が置いてあってなぞってみることができるのだが、こういうのが難しい。
我が家は狭いマンション住まいだが、こんな襖絵が廊下の白い壁紙に描いてあったらおしゃれだ。
フォト

フォト

フォト

フォト

《竹下鶴亀図》
中国古画風に絵絹を染めた上に描く。解説曰く、蘆雪は成り行き任せ、勢い任せで描き始めることが多いらしく、端っこの亀はちょっと窮屈そうだが、またそこがいいところ。
フォト

フォト

昨年「円山応挙」展で、彼が写生した鼬図(参照↓)をみたが、蘆雪はそれをデフォルメしてまるで絵本に出てくるようなかわいい姿で描いている。

円山応挙《鼬図》フォト

《藤花鼬図》
フォト

《藤に鼬図》
フォト

《郭子儀図》
郭子儀は、中国唐代の名将。長寿で、子どもたちも皆出世し、多くの孫に恵まれたことから、富貴功名、長寿、子孫繁栄を象徴するおめでたい画題とされる。同じく「円山応挙展」でみた応挙の《郭子儀祝賀図》は至って「真面目」であったが、こちらはなんとも可笑しみを伴う。孫が多すぎて名前を覚えきれないため、それぞれが札をつけていたというが。数えたら50人以上いた。
フォト

《子犬図屏風》
六曲一隻の屏風、すやり霞も施して、ろせつ犬が大好きで、屏風絵にして、と注文したお金持ちがいたのかな。
フォト

《龍虎図》画像なし
対幅にせず、1幅の掛軸に龍と虎を描く。画像がないのが残念。中央を斜めに鋭い線で画面を分つ。マスキングしたかのような白抜き。右上にキリッとし龍。マーブルのような大胆な滲みが雨雲を現す。迎え打つ虎は振り返り天を仰ぐ。こちらはもやっとした描き方。この作品、一体どうやって描いているのか。妄想お持ち帰りはこれに決定!

《雲中潜龍図》
これもまた珍しい描き方。湿潤な霧間からぬわっと龍が現れた、特撮みたい。
フォト

お次は虎。
四睡図(しすいず)は、豊干禅師、寒山と拾得が虎と共に睡る姿が描かれた禅画の画題。

《四睡図》
虎<豊干禅師<寒山拾得 というように折り重なって寝ている。豊干の背に寄りかかって眠る虎が一番気持ちよいよね。虎がどれほど気持ちよく眠っているかの証拠に口が少し緩んでいる!
フォト

和歌山県白浜の草堂寺の住職も無量寺住職と同様、かねてより円山応挙と親交があり、和尚が寺を創建する時は絵を描くと約束したという。無量寺の障壁画と同様、蘆雪が応挙の代理で赴き、絵を描いたそうだ。ここにも蘆雪の《四睡図》がある。いいなぁ、南紀へ応挙・蘆雪巡りをしに行きたい。

《四睡図》
こちらは本間美術館蔵。
みんなが虎に寄りかかって眠る。虎の後ろ足は、ろせつ犬同様の投げ出し。ゆるくて見ているこちらも眠くなる。
フォト

虎に寄りかかって巻物を広げる《寒山図》もあった。(画像なし)こちらには豊干禅師も相棒の拾得もいない。なぜ二人とも留守?蘆雪の遊び心か。

《酔虎図》無量寺蔵
後から付け足したような顔と申し訳程度の竹。酔っ払って描いたのは蘆雪の方では?虎の毛皮を丹念に写生して毛皮模様を描いた師匠に反して、この虎の縞模様△と言ったら(笑
フォト

《龍虎図襖》無量寺
右6面龍、左6面虎。見るのは2度目だが、やはりすごい。まるで襖を破って飛び出してくるよう、まさに3D。
虎は思い切ったデフォルメで、背中も尻尾も襖上辺ギリギリ。凹んだ腹の線、踏ん張る後ろ足の踵。我が愛猫も獲物狙いの時はこの姿になる。
龍の腕から爪までの弓形のラインは、虎の胴体のラインに呼応して躍動的。立てかけて描いてできた水墨の垂れが雨を連想させ、白抜きの稲光が効果的。


フォト

草堂寺のところに少し書いた話を改めて。
無量寺は宝永4年(1707年)10月の大津波のために流失、その後、中興の祖と呼ばれる愚海和尚により天明6年(1786年)に現在の位置に本堂が再建された。なんと79年後のことである。
愚海和尚とかねてより親交の厚かった応挙は、青年期に愚海和尚と「一寺の主となった時絵を描きに訪れましょう。」との約束を交わしてたので、無量寺再建の際に約束を果たそうと思ったが、多忙と加齢のため串本に赴くこと叶わず、代わりに一番弟子の蘆雪を遣わしたのである。
蘆雪は串本の雄大な自然に感動、さらに師から離れて、才能が爆発、自由で大胆、独創的な作品を次々と生み出すこととなったのだった。



この話は有名なので知っていたが、以下は今回知ったこと。
そうだったのか!

無量寺の障壁画には、この《龍虎図》以外にも《唐子遊図》や《薔薇図》などがあって、《薔薇図》では猫が描かれているのも知っていたのだが、この虎の真後ろに描かれているのがこの絵だとは知らなかった。
↓

フォト

虎と同じポーズをする猫。解説では「虎は獰猛で怖い、猫は小さくて可愛い」というのは人間を基準にした考えであって、そうした自分に基準を設けて物事を捉えるのはよくないという禅の教えを踏まえて表裏に描いたものではないか、と。
なるほど、仙�冢他阿眷�っぽい虎を描いては「猫か虎か、まさに和唐内か」と書いていたっけ。
表裏に関係した絵を呼応するように描くといえば、尾形光琳の《風神雷神図》の裏に描いた酒井抱一の《夏秋草図》を思い出す。

子供向けリーフレット「ろせつたんけんたい」クイズはおとなもOKで、回答するとポスカがもらえます。家光のウサギと 若冲をゲット。


フォト
お昼は「平次のおうどん」フォト
恒例のソフトクリームはモッコウバラをバックに。
フォト


5月10日まで
20 8

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年04月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930