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2026年04月02日23:30

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短歌

改札を出たあとすこし考える いまのわたしは本物だろうか #短歌



呼ばないでいればよかった気もしてる春の雨だけ窓に残って #短歌



物わかりのいい消費者のふりをしてやさしい嘘をかごに入れてる #短歌



帰ったあとも椅子はそのままで夜が静かに始まっている #短歌



うまく言えない重さを持ったまま3月の道を歩いて帰る #短歌



ポケットにしまえなかった声ひとつ 切れたあとでも耳はあたたかい #短歌



きっとまだ生まれる途中なんだよね 影のあとから追いつくみたいに #短歌



擦るたび起動してゆく記憶あり 春はまだ来ぬ匂いの装置 #短歌




沈んでもまた浮いてくる気持ちなら月にあずけておけばよかった #短歌



体温をまだ指先で弄び世界のあとに残ったあなた #短歌



指先で掬えば崩れるやさしさを胸のあたりでまだ光らせる #短歌



知らないねこの部屋の呼吸のしかた 端っこで丸くなればわかるよ #短歌



思い出は完全乾燥しないまま朝という名の靴を履きます #短歌



泡ひとつ消えてしまえば夜になる皿 ぼくらの指はそれを知ってる #短歌



遠くから花の匂いを連れてきて午後はゆっくり春をひらいて #短歌



触れられぬままの温度を口にしてあなたはすこし甘くこぼれる #短歌



向きをまだ変えない靴を置いたまま帰らないことだけが近づく #短歌



馬たちは音を立てずに通りすぎさくらの影に人は来なかった #短歌



まだ息をしている光があるならばこわれたことも間違いじゃない #短歌



名を呼べば熟れてしまいそうな午後 無花果の皮に指を遊ばす #短歌




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