mixiユーザー(id:8077411)

2026年02月28日11:09

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短歌

いまはまだそういう気分じゃないのです ドアの隙間に午後をはさめば #短歌



思い出をたたむみたいに夕暮れは今日の輪郭やさしく消して #短歌



真ん中で光るみたいにためらってわたしをわたしより先に知る #短歌



年齢を脱ぎ捨てる水 胸に満ち名もなく泳ぐ午後が疼くよ #短歌



言わないで済むならきっとそれでいい 舌に残った理由は消えず #短歌



ちゃんとしたはずの世界の端っこで賞与の文字が少し冷たい #短歌



抱えたままどこにも置けずいる夜の硬貨みたいに体温がある #短歌



透けてゆく指のかたちを確かめて折り目のぶんだけまだある重さ #短歌



またひとつ母をたたんで箱の底 ほどけば声がこぼれてきそう #短歌



風の名をまだ持たぬまま触れている乾ききらないきょうの端っこ #短歌



くり返し聴いているからだいじょうぶ 明日も今日のつづきでいられる #短歌



賞味期限確かめるでもなく戻す 今夜を少し延ばしておいて #短歌



ほどけてもまたわたしへと戻る糸 ひかりの端に指をあずける #短歌



火を止めてしばらくだれも見ないまま夜だけ静かに沈殿してる #短歌



潜るたび触れては消える年の層 まだ息継ぎの途中にいるね #短歌



ドラマより近くで響くその声もいつか静かに終わるといいね #短歌



湯気のなかほどけて消えるその声の形をぎゅっと両手で囲む #短歌



会議室 誰も動かぬ地図の上 現在地だけ書き換えられる #短歌



呼ばれずに残った椅子の冷たさを順番のない手で確かめる #短歌



足先でたしかめてやめたまま 底のないこと知ってしまった #短歌




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