獅子舞や和太鼓などのイベントを見たいわけではないのだから何も混雑している三が日に行かなくてもいいと思うのだけれど、自然と足が向いてしまった東博。同窓生たちは、箱根駅伝で新・山ノ神の黒田朝日くんを応援していたのに私は薄情な卒業生(笑)
荷物を平成館ロッカーに入れるために、「日本の近代」の展示室から
初代宮川香山《染付龍濤文有蓋壺》
宮川香山といえば、高浮彫を思い出すけれど、このような中国風な作品も作っていたのね。染付も見事だけれど、蓋の造形がすごい。
望月玉泉《岩藤熊萩野猪》
昨年は熊被害が話題になったけれど、微笑ましい熊の親子に複雑な思い。
が、今回の注目点は左隻の猪。
臥して眠る猪「臥猪(ふすい)」は亥年を寿ぎ、「富寿猪(ふすい)」とも書く。また江戸時代後期には、鎮めて安泰にするという意味の「撫綏(ぶすい)」という事の語呂合わせで、天下泰平を祈る吉祥画とみることもできる、とのこと。また一つ、お利口になった。
高村真夫《夜の停車場》
駅のベンチで年老いた父を連れ、疲れ切って行李にもたれる女性。どこに何をしに行くのだろう、と色々物語を想像してしまう作品だ。
千住博《ウォーターフォール・陽光》
本館大階段上には毎年生花が飾られるが、今年はご本人から寄贈された作品。紅白でめでたい。
2階へ
特集
【博物館に初もうで 午ー神と人をつなぐ祈りのかたちー】
辰年も巳年もタイトルがダジャレだったのに今年は真面目。担当が代わったのかな?
後藤貞行《馬》
馬の彫刻で知られ、代表作は皇居前広場の楠木正成像の馬像だそうだ。
長谷川等伯《伝名和長年像》
肖像画に愛馬を加えるのは珍しい。しかもかなりの荒馬だ。
狩野元信《神馬図額》
狩野永叔(主信)《競馬図扇面》
競馬神事の一場面
《馬医草紙》鎌倉時代
馬の医者の秘伝書で、情報の散逸を防ぐため後継の弟子がいなければ返却または焼却するよう命じたと記されいる。馬はそれほど大事で、馬医は武家集団にとってそれほど重要な職業だったのね。
《競馬香(四種盤のうち》江戸時代19世紀
競馬香、矢数香、名所香、源平香の四種の組香に用いる。立て物を動かして競い遊ぶ。江戸時代に最も普及した組香のセット。確かにこれは楽しいわ。
今年の特集は、特別1室のみの展示だったが、馬関連では別の展示室(3-2宮廷の美術)に展示されていたこれをみるのも目的
《厩図屏風》室町時代16世紀
厩舎に繋がれた6頭の馬を中心に遊びに興じる人や犬、猿。おめでたい動植物もあり、室町時代に流行った富の象徴のような屏風。
山口晃が現代風にアレンジした作品を思い出す。たしか、馬の博物館で見た。
《遊行上人園着絵巻》鎌倉時代14世紀
遊行上人(ゆぎょうしょうにん)とは踊念仏の一遍上人のこと。
お寺で大衆に飲食を施す図。
座敷では、そのお寺の僧侶たちでしょうか。
その後に3つの輪ができていて、最初の輪は「乞食僧の輪」次が「乞食非人の輪」
ボロを纏った人、痩せこけた人、乳飲み子を背負った女、琵琶法師なのでしょうか、人に先導されて歩く目の不自由な人もいる。
最後の話は、顔に包帯を巻いた人たち、癩病患者たちなのね。具合が悪そうな人もいる。
皆に平等に飯を分け与えている図だ。
国宝《線刻蔵王権現像》平安時代 長保3年(1001)
西新井大師總持寺に伝わる、最古の蔵王権現像。2月8日まで、背面をホログラム投影装置で見ることができる。
さて、先へ進んで大好きな屏風と浮世絵を見ようと思ったら、7室〜10室は4月6日まで閉室となっている。そう言えば昨年は1階彫刻から半分くらいが閉室だった。順番に改修工事をしているのね。
ちなみに国宝室はいつもどおり長谷川等伯《松林図屏風》で、いつもどおり黒山の人だかり。
今年は松の1本1本が人に見えた。悲しみに打ちひしがれている人、それに寄り添う人、励まし合う人、前を向いて歩き出そうとする人…被災した七尾美術館で昨年お披露目されたというニュースを聞いたからかな。
1階の特集は
【KAKIEMON 伊万里焼 柿右衛門の世界】
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2727
17世紀初めに日本で最初の磁器がつくられた肥前有田地域では、17世紀半ばになると輸出向け磁器の生産が本格化します。輸出磁器は、当初、内乱により輸出が減少していた中国景徳鎮産の磁器を補うように生産されましたが、やがて中国の模倣にとどまらない独自の様式を確立していきました。その代表が、「濁手(にごしで)」と呼ばれる乳白色の地に、赤を主とする明るい色絵具を用いて余白のある構図で描く、いわゆる柿右衛門様式と称される色絵磁器です。これらはヨーロッパに数多く渡り、オランダ、イギリス、フランス、ドイツといった王侯貴族たちに受容され、実用だけでなく屋敷を飾る装飾品としても用いられました。またこうした輸出製品は、酒井田柿右衛門家の窯だけでなく周辺の地域一体の窯でもつくられ、その様相は生産地や消費地における出土品などからも明らかにされており、そのなかには色絵だけでなく上質の染付も含まれます。
本特集では、輸出磁器初期の作例から、よく知られる柿右衛門様式、加えて有田周縁でつくられた上質磁器、金襴手様式への移行期の作例、そして18世紀の中国での写しといった、関連作品も含めて「KAKIEMON」として紹介します。
《色絵竹虎文八角鉢》伊万里(柿右衛門様式)江戸時代17世紀
代表的な柿右衛門
《色絵花卉文大皿》伊万里 江戸時代17世紀
初期の輸出向け伊万里
《色絵葡萄栗鼠文瓢水注》伊万里(柿右衛門様式)江戸時代17世紀
葡萄は「武道」、栗鼠は「律する」で武家好みの意匠。リスが狐に見えて、イソップの「酸っぱい葡萄」を思い出しちゃった。
《色絵象形香炉》伊万里(柿右衛門様式)江戸時代17世紀
《色絵菊水文蓋物》伊万里(柿右衛門様式)江戸時代18世紀
やはりこういう方が日本好み
《色絵梅に雷雨文大鉢》伊万里(柿右衛門様式)江戸時代17世紀
胴をめぐる「雨降り文」が美しく、稲光のデザインが素敵。この日の妄想お持ち帰りはこれに決定。
《染付雲龍文鉢》伊万里 江戸時代17世紀
青い色の柿右衛門は「藍柿」と呼ばれる
《色絵葡金襴手唐花文皿》伊万里 江戸時代元禄8年(1695)
元禄年間、豪商たちが金彩を多用した中国明代の金蘭手を愛好、その需要に応えるべく作られたのが「元禄柿」
こちらは、縁を山形に折り返した「臍皿(へそざら)」
特集を出て「陶磁(13-3)」の展示室では初期伊万里
《染付竹虎図大鉢》伊万里 江戸時代17世紀
ヒョウのような模様で、鯰の頭みたいな虎が素朴で可愛い。
14室から遡ってみて最後にVRシアター「洛中洛外図屏風屏風舟木本」を見る。3月末で閉館するらしい。制作に時間費用がかかる割には元が取れないのだろう。
紹介しきれなかったものを含めてアルバムあります。
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000121398712&owner_id=2083345
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