下を見るたびに海だと思えたら走る理由も少し変わるね #短歌
できることこんなに多いはずなのに言葉になると全部ほどける #短歌
消されない履歴みたいに月の指 触れた壁だけまだ白いまま #短歌
誰もいないターミナルの灯消えなくて犬だけがまだ任務を信じ #短歌
君の声 近づく冬の金星にまだ消えぬこと祈りあずける #短歌
降るたびに完成へ向くはずなのにバベルはいつも途中で消える #短歌
差し込んだひかりの角度覚えれば会社に着くまで冬が続くね #短歌
凸される予感の時点でじゃんけんは平和を信じる最後の儀式 #短歌
たしかめる誰の物語だったっけ 手放す指にやわらかい午後 #短歌
付箋には書けないことを残してて開くときまで夜を預ける #短歌
追わないと決めた速度で座り直し各停の朝が身体に馴染む #短歌
来なくても叫びはすでに飛び出して黄色い孔が空を待ってる #短歌
ガリを噛むその軽さまで頼りなく声ひとつぶん浮いていく午後 #短歌
折れたとこ紙みたいだと思えたら北杜夫の行間で休む #短歌
何度目の周辺でしょうと空を切り目的だけが逃げ足を持つ #短歌
。しっくりと来る場所だけが増えていく言わずに続く二年目の冬 #短歌
においなく会う約束がやさしくて湯気のまんまで冬を渡れる #短歌
冬の鳥 歌詞は知らずに立ち止まり鉄板の湯気しばらく聴いて #短歌
揺れながら直すつもりの表情で結局みんなそのままでいる #短歌
ぬけがらでいいと言われてしまう夜 それでも形を探してしまう #短歌
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