冬の駅受験生まだ戻らない赤い信号長く続いて #短歌
配膳ロボよそいき声で近づけば湯気だけあなた知らんぷりして #短歌
支払機で声より先に息つまる 化石になるまで順番を待つ #短歌
うすあおい湯気の向こうの道祖神 祭りの声にゆっくりほどける 短歌
うなずいたその1秒がまだ白い 絶望になる手前の場所で #短歌
道しるべ 音楽の友 芸術新潮 どっち読んでも俺が文化だ #短歌
鉄格子のない部屋で書く 今日のことページを閉じて鍵の音聞く #短歌
夕暮れに手袋したまま開けてみる冬を買ったと思えばあたたか 短歌
信号のどれもが友だ 赤も青 止まることさえ前進だった #短歌
夜空にはながい瞬き残るだけ 死という言葉そっと伏せつつ #短歌
鍵束の音だけ増えて禁煙所 言葉が白く息に混ざって #短歌
それ殴る物質名で呼ぶやつら 忘却は羽 分子は重い #短歌
この手から遠い湖へ放つため欲しさを愛と呼ばずに置いた #短歌
似たようなところで転ぶ人類がまた集合写真撮ろうとしてる #短歌
検診へ向かう背中に寿命など軽く置いては冬の息吸う #短歌
柿割れば夕日ひそめる掌に海をこぼさぬ人の体温 #短歌
停電の街が瞬く 平和って言われた気がした電波の隙間 #短歌
花を買う理由を探す旅の夜 噛みあとのような艶が残ってる #短歌
わかるって言えば楽だと知っていて不幸の席に水だけ置いた #短歌
夜更けにも足音やさし雪の犬 抱けなかった手をそっと差し出す #短歌
★
ログインしてコメントを確認・投稿する