触れたらさポルックスまで透けてくる君の企み 粒ひとつだけ #短歌
最後には泣けるはずだと言い合った 駅前ホテルの古いリッツで #短歌
ひそやかに鳴るQueenを受け止めて手元の譜面に君のくせ書く #短歌
今見たらそこにはそっと無がひらく「タモリ倶楽部」の終わり思い出す #短歌
彫られた手 その冷たさに触れながらきょうも笑って嘘だけ増やす #短歌
君も無事では済まないと言われても前振りだけをそっと残して #短歌
母の足なぞって歩く秋の道 人生そんな感じじゃないか #短歌
脇にそっと抱えたままの水風船 あなたの中身みたいにぱんぱん #短歌
とつぜんのゆらゆら配信きみ映えた 輪島テンションこっちもバズるね #短歌
君らしいイントネもまたバズりそう 輪島の風をそのまま乗せて #短歌
さかさまにひっくり返せる海原であの日のままの旗を見ている #短歌
ない目でもまわればきっと出てくると卓上の癖ふたりで見てた #短歌
ぐらりまた窓辺の景色が変わりだすそれでも歌を落とさず進む #短歌
帰れないふりして撫でた傘の先 ひらり落ちたら涙のかけら #短歌
手を入れるその一瞬に季節くるあおられながらミライをつまむ #短歌
5回目の瞬きをして苦笑い あれくらいなら信じてもいい #短歌
足るを知るそんな合図を聞きそびれふいに明日へ置いていかれる #短歌
わざとかなわたしにだけのひそかな合図 駅のきしみに今日もまぎれる #短歌
ふくれ立つ金曜だけのときめきをラムネの泡でそっと逃して #短歌
ごめんねと唇ひきつるあの仕草 泣きだしそうな可笑しさまでも #短歌
暗室をそっと覗けば揺るぎだす溶け切らぬまま小瓶のざわめき #短歌
ここだよと手首で示せばすぐに来て切らない路地が味方になった #短歌
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