初心者のための油彩画入門 具象絵画の方向性
抽象絵画全盛の時期に、カウンターとして登場したフォトリアリズムが、具象絵画の復活の切っ掛けとなった。プロパガンダとして、不自然に取り上げられていた抽象絵画からプロパガンダが消え、貶められていた具象絵画が再評価されるにいたる。いまだにプロパガンダに振り回されている人もいるが、そういう人は、放っておくしかない。具象絵画で、写真を使って絵を描くことが一般化する。一方で、古典的なデッサンも基礎として学ばれており、デッサンが断絶した訳ではない。今でも石膏デッサンは、行われている。具象絵画も、いくつかのジャンルに分かれ、方向性を違えつつ進化している。大まかに説明すると、フォトリアリズムの流れから生まれたハイパーリアリズム系の具象絵画。古典絵画をベースにした、伝統的な技法の絵画。そして、印象派などの影響を受けた、アラプリマを多用する具象絵画。などだ。アラプリマは、印象派以前からあったので、必ずしも印象派の影響とは言えないが、サージェントや、当時のサロン系の画家が、アラプリマに移行したのは、印象派の影響だったとは、言える。タッチを生かした描き方だ。これは、ゴッホも取り入れている。タッチを生かした具象絵画は、近代から現代具象絵画の流れの1つになっている。ハイパーリアリズムの作品と比べると、明らかに方向性の違う絵画だ。具象絵画の方向性として、ハイパーリアリズムに向かうのか、タッチや筆致を生かした具象絵画を目指すのかは、技法も、考え方、捉え方も変わってくる。良し悪しの問題ではなく、方向性の違いの問題だ。音楽にも、いろんなジャンルがあるのと同じで、具象絵画においても、いろんなジャンルがある、ということ。難しく考える必要はない。ただ、描法は、変わるので、そこは、おさえる必要がある。ハイパーリアリズムは、向き不向きがあるので、今回は、タッチや筆致を生かしたアラプリマ系のベーシックな具象絵画を目指す方向性で、やり方を紹介していきたい。これで、方向性は、さだまった。
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