この瞬間静かな脈が跳ねていてまだ言葉では追いつけなくて #短歌
音のない鈴を見つめる角の闇 だれもいないをそっと照らして #短歌
朝の靴ゆるんだままで走り出す命を賭けた我慢大会 #短歌
歩道にも光は落ちて揺れているそれでも今日の理由にならない #短歌
秋服はあきらめたのに夕暮れのやわらかさだけ置いていってる #短歌
丁寧が曲がってくのを見て笑うだけ許すふりする窓の外の街 #短歌
エンディングらしく並んで歩く街灯のにじむ光まで脚本通り #短歌
目立たないくらいが楽で前よりも歩幅そろえて風にまぎれる 短歌
誤差のなかまぎれる呼吸を拾いあげほんとの重さ掌にのせる #短歌
焼き鳥屋前を行き来し立ち止まる一歩の迷い外側のまま #短歌
そっとしてほしい夜ほど呼び止めてお前が歌うんかい 声がほどける #短歌
言い争うほどの内容でもなくて日常なのに急に選挙かよ #短歌
きらめいて消える路地裏息ひとつ拾っただけのWi-Fiの名よ #短歌
3位の顔 泣くでも笑うでもなくて風がふれゆく透明のまま #短歌
シルバーと呼ばれ直してゆく父の背にまだ残ってる夏の影あり #たんか
最大派閥 名ばかり増えて空の音 ひとりの声を探す廊下で #短歌
歓談のはじける粒にまぎれつつ潰すの動詞冷たく光る #短歌
マイクないはずのあなたが急に来てお前が歌うんかいと笑った #短歌
雪原をひそかに抱いて息を吸うボリューム以後の闇がほどける #短歌
カゴの中 理由ないものふえていく 全部ドンキで済ませた夜に #短歌
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