夕焼けの色が強すぎ人々はやさしい嘘で傘をさしてる #短歌
冷めかけの皿に月影落ちてきて大好物を食べぬままの日 #短歌
あのときのメロンのつづき切らぬまま冷蔵庫にはあまい記憶が #短歌
送らずに消した月の写真にも息のあたたかさうっすら残る #短歌
吸えぬまま話を続け壁だけが受け止めている都会の温度 #短歌
プリンぐらいじゃ怒らない夜ふかしの匙に映れる他人の顔よ #短歌
腹筋を10して生きつぐあいだにも過去をほどいてゆくような汗 #短歌
湖に映る説明文のなかでしか動かぬ魚を見ている午後 #短歌
笑おうとすればするほど沈んでく氷の底のような会話だ #短歌
ひらいてた門のきもちでまっている かかとで蹴った白いくすりゆき #短歌
ひるの霊園 音のかけらを拾いあげひかりの底でまぶたを閉じる #短歌
ヒモであること忘れて笑う午後の光 パンの耳焼く匂いにまぎれ #短歌
こんなにも歴史あるのに今日もまた信号の青で渡ってしまう #短歌
ぐっすりと眠りたくって布団からはみ出す夢を手でならしてる #短歌
卵かと問われりゃそうとしか言えず割られるまでの時間を泳ぐ #短歌
わざわざを届けてもろてるぶんだけ今日は少しだけ優しくしてる #短歌
冬の夜をあきらめながら目をとじる白さを内にたたえて #短歌
ハンバーガーの酸味のなかには
沈みゆく平成らしさをまだ知らぬまま #短歌
うまく笑う練習でした 午後でした 風船売りの声を避けつつ #短歌
未来の手錠かと思ったもん 笑う君の手まだ離せない #短歌
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