鳴くことで存在証明九月蝉 私のLINEも既読がつかず #短歌
目を細め視力が悪いふりをして君のスマホの秘密を読むよ #短歌
線香花火 落ちそうなときふと逸らす浴衣の柄に花は見えてる #短歌
醜さをわざと肯定してみせてコンビニ袋握りしめてる #短歌
下るしかできない街で恋をして戻れぬことを笑って話す #短歌
残高の数列ばかり見てていてふつうの景色遠のいてゆく #短歌
言わなくていいことを言ったからふたりのあいだに雨が降り出す #短歌
議論より涙の数で決まること それを美徳と呼んでしまえば #短歌
このあとに分娩台にあがります そう書きおくる最後の既読 #短歌
笑えないニュースの外で女子大通り 女子大はなく 血が声になる #短歌
何故なのか勝手口から君が来る正面玄関閉ざしたままで #短歌
顔面の地形が変わるそのたびにつぎを左折です 機械は正しい #短歌
半グレが後進育成語り出し唐揚げ2個で未来を憂う #短歌
好きなのはしらたきだけど人の世は寄せてもほどけ組もまたほどけ #短歌
見えぬ雪 目の前凡て覆われて 笑ってるのか泣いてるのかも #短歌
大声の隣でさらに声を張る正義のふりの喉仏たち #短歌
山崎パンのトラックひとつ走るだけ 朝焼けまでも物流になる #短歌
咳込みて雑音だけが遠ざかるこの静けさを少し愛した #短歌
眠る前すすきのホワホワ抱きしめて課金も恋もまあ似たような #短歌
みずたまり覗けばゆれるひかりにもちいさな争いしずかに沈む #短歌
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