ラメラメのかがやきひとつすくいあげ指先だけがきらりと残る #短歌
しずけさにしろいしぶきがまじりこむ星座のなかのリズムのように #短歌
食卓の記憶のなかに浮かびだすネギのしずけさとか君の顔 #短歌
あおむけにチューインガムを吐きすててニュートンだけがただしかったよ #短歌
もうすでにどら焼きひとつかじりつきあまさの奥に午後がひろがる #短歌
かえれないえきのアナウンスききながらひとつおりたつ霊園のまえ #短歌
かぜのなか えりあしの影みとめれば季節はいつもそこからはじまる #短歌
ひとけなき机と椅子をなぞるよう 加湿器の霧しずかにひかる #短歌
つぐなえぬひとをつぐなうことなかれわたしのなかのやぶれた思想 #短歌
あそび場のしずかな午後に声ひとつ母のことばが鳥より遠い #短歌
記憶にはずっと残っているのだが街のすみにはまだ廃墟あり #短歌
あおぞらにそめられながらふと気づくわたしのなかのよごれのかずを #短歌
ちかづかぬもののほうこそまぶしくて足どりだけが遠さをしるす #短歌
こどもらのらくがきひとつそのなかにとまれぬ世界とべるしんじつ #短歌
むごさとは飼うことまでもふくむのか 犬のしずけさ耳にのこって #短歌
かじるたび甘さが増して苦くなる 合いたいことはわがままですか #短歌
小銭では満たされないと思い出す 損な思想をかばんに入れる #短歌
寝ても覚めてもごはんごはんとくりかえす消えた街には戻れぬように #短歌
ダサいことそれも武器だと知るまではただ透明な棚のオブジェよ #短歌
愛などは剥き方ひとつ見落としで十二年目の果汁ににじむ #短歌
★
ログインしてコメントを確認・投稿する