夕まぐれ老爺の肩に風を見てついてゆくしかないと思った #短歌
あなたにはすでに剥がれたネイルこそ魅力のかたち呼吸のように #短歌
ひびわれたしあわせしるしと占えばナンの形にもひかりがのこる #短歌
生まれ場所小さきほどに願い出てそれでも君は声あげている #短歌
ふたりにはちいさな間だけ残されてそれがいいなと呼吸をあわせ #短歌
動かない階段のなかに夢を見てごめんねごめんひとりで降りる #短歌
ゆらゆらと蝶のまなざし落ちてきて人のこころはすでに透けてる #短歌
ぐしゃぐしゃのストローの袋 声を出すその意志だけがテーブルにある #短歌
夢のなか団地の階段ひびわれにおおここだよと声がひびいて #短歌
色ひとつ選んだ記憶がのこるだけ それを着ていた夢を忘れる #短歌
偶然のひとつひとつを食べながらわたしはいまにまだ在りつづく #短歌
夕暮れにまだベンチとも呼べぬもの わたしと影をそっと置き去る #短歌
「右側の方の老害」からはじまる今の時代を反映した短歌
とけいとは光りながらに嗤うもの わたしの顔を夜がのぞいて #短歌
夕ぐれをしめる響きが胸にあり ひとつの夜を呼びにきている #短歌
とびのればしずかな駅にとまるはず いきさき不明 それでもいいよ #短歌
こわいのは骨のしらない動きかも となりにいてもわらえぬままで #短歌
ゆれるたびひとつの群れになってゆく不安はうすく窓にひかりす #短歌
なんのため歩いているかわからずに荒野のなかで靴だけが鳴る #短歌
しゃべりだすならんだ靴のひかりまで車窓を掲げ夢をわすれる #短歌
★
ログインしてコメントを確認・投稿する