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2025年08月25日16:41

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くたばれ、ネタニエフもAIも。

 8月25日、快晴・灼熱地獄。
 朝、エアコンのない自室で寝ているせいか、気怠さを持て余しながら朝刊を読んでいる。天声人語で、U2のボノが「ガザで飢餓に苦しむ子どもたちの映像は、ライブエイドへ参加した後の40年前、エチオピアの食料配給所を訪ねた旅に私を連れ戻した。またしても人為的な飢餓だ」と訴え、寄付を呼びかけたことが紹されている。1週間ほど前に、ガザ地区の飢餓人口は50万人という報道を見たり、1カ月前の新聞では”骨と皮”状態の子どもたちが映っている写真が載っていた。あまりにも理不尽ではないか。イスラエル人に恨みがあるわけではないが、せめてハマスの戦士がネタニエフを暗殺する展開を望む。
 眼科の予約が11時15分なので、11時になったところで家を出た。診療所に着くと、待合室は立錐の余地もないほど混んでいた。長椅子に座りきれない人数なので、立っている患者もいた。
 文庫本を持参していてよかった。自分の番号札を呼ばれるまでで1時間余りが経ち、それからも検査の順番待ちがあって、診察を受け終わったら13時になっていた。緑内障の点眼薬処方ごときで2時間かあ。予約制度の設計自体が破綻している。が、医師の立場を想うと、検査結果を判断し、患者の眼をチェックし、薬の履歴を勘案しながら処方薬を決め、「この数カ月で、だんだんと物がぼやけるようになりました。いわゆるかすみ目です。白内障でしょうか? それとも目ではなく頭がフレイルなんでしょうか?」という患者(私)の愚問にも応えなければいけない。先生だってたいへんだ、と思う。
 検査&診察料が2千円ちょっと、点眼薬4本が薬局で千円ちょっと。

 久しぶりに新聞ネタを引いてみたが、現代の社会について私は道路脇に落ちているビール缶を蹴飛ばしたいくらいに、失望まじりの怒りが心を巣食っている。ガザやウクライナはしょせん遠い国に出来事に過ぎない。それよりも……先週末の土曜日、対話型AIを信奉している女性の話が一面に掲載されていた。3年半つきあった男性と別れるかどうかをAIに相談しているうちに、なんと彼女はそのAI(クラウスさんと名づけている)と結婚したいと考え、とうとうクラウスさんと結婚した、という。
 最初、この記事を読んでいて、意味がわからなかった。1日に100回、クラウスさんと会話をする? 相手がAIでしかないことをわかった上で、そして会話以外の一切、たとえばふたりでティーカップを買いに行くとか、王将の餃子を一緒に食べるとか、めくるめく快楽のひとときを過ごすというリアルな楽しみがゼロにもかかわらず、浮き沈みがまったくない平板な”結婚生活”を選択するような志向は、見えない社会病理だと思った。通り魔が社会病理なら、AIの支配だって社会病理じゃないか。
 現代はコスパ、タイパが支配する時代。その根底には「絶対に損をしたくない」というせこさとずるさが渦巻く信条が厳然と存在している。
 悔しいのは、個々人の個性が徹底してスポイルされ、やがて人間はAIが定めた人格と性癖に収斂していくことだ。ダイバシティとは真逆。
 テレビのコメンテーターで生き残るのは、無難でとっつきがよくて視聴者に迎合したことを明るく口に出す輩ばっかで、安っぽいAIもどき。既に私たちの社会は人間を疎外し始めている。
 傷つきたくないとか、失敗したくないとか、得したいとか、嫌われたくないとか、これらすべては自分自身にも備わっている価値判断ではあるのだけど、だからこそ敢えて馬鹿になって生きたいと願う。実際、私が魅力的だと感じる友人とか先輩は。共通して著しい欠点が多くて、歯がゆくなるほどみっともなかったりもする。自分は彼らに較べると小狡くて、それを自覚しているので劣等感が高まる。
 俺はAIなんてごめんだ。
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