引っぱられた感触だけがのこっててきょうのポケットをさがしてしまう #短歌
嘘でもいいから をひとつ折りたたみかばんのそこに沈めて帰る #短歌
かじるたびにパンの端からほどけてくプレートの上の地球のかけら #短歌
あたたかさだけのこした猫を抱き冷凍ごはんの封をあけてる #短歌
まぶたとは光に沿って沈むもの仏のそばでくしゃみこらえた #短歌
なりたいと呟くたびにずれていく 靴のサイズがちょっと合わない #短歌
産声を抱いているのはわたしなのに足もとはまだふるえてしまう #短歌
こわいけどドアのむこうは野原です 鍵をかけたらちゃんと朝くる #短歌
早送りされても泣いてる登場人物 わたしもなぜかふえるまばたき #短歌
早送りされても泣いてる登場人物 わたしもなぜかふえるまばたき #短歌
ねむってるふりのまま咲く花ひとつ透けない花を包んでひかる #短歌
わたしには聞き取れなかった祈りごとあなたの声が淡くなってる #短歌
先に食べたらなくなるだけなのにわたしはそうするしかなかった #短歌
香らない花をそっと拾いあげ水の冷たさにくちびる寄せる #短歌
のこぎりの歯を知らないまま選んだ ひとつの痛みとしての沈黙 #短歌
スプーンでほどいた夜にひとつだけ秘密があった ルビーの指輪 #短歌
鍵穴にまぎれるような子ども部屋 わたしもいつかそこにいたこと #短歌
黄色いテープに指が触れてて父の声ぜんぶ火花に聞こえてしまう #短歌
、世界にはまだ名前がないから水をのむ音で呼びかけてみる #短歌
泥つきのくちびるで触れたり額から森がほぐれてあさのひかりに #短歌
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