日曜の靴にまぎれて赤い実はきのうの夢の続きをしてた #短歌
走り出す人を見ていた バスに間に合う それだけでちょっと泣きそうになる #短歌
信じたら濡れそうな空 コンビニの軒でことばが降ってくる午後 #短歌
ミュートされたままの気持ちがどこまでも数を増やして流れていった #短歌
車庫の奥 誰も乗らない時間だけスパイクタイヤがやわらかく光る #短歌
たばこの灰もまぜて描いた青の中 爪に残った星だけが知る #短歌
もう見てるひともいないのに貼られたまま光だけ受けている賞状 #短歌
天国でもたぶん月曜は月曜日 テレビが街とつながっている #短歌
焼け石にペリエ あたたかいだけの午後がきみから遠ざかっていく #短歌
ねえザムザ 行けない場所の地図ばかり折りたたんではなくしていったね #短歌
体温計を口にくわえて目をとじる ちがう理由が生まれますように #短歌
予報には映らないまま広がって心の奥でゆっくり崩れる #短歌
こわれかけの階段だけが答えるの ほんとうにあったわたしたちにも 短歌
きもちとはぜんぶ話せず歩いてた横道に咲くくずもちの花 #短歌
きれいすぎるものはすこしだけこわくて漂白のあと黄ばみが残る #短歌
抱きしめてくるつもりだったでしょうあなたの夏が心をつらぬく #短歌
濡れた床 売れ残りの傘 この店に誰かのままの暮らしがある #短歌
駅ナカの売り場に光るワゴンにはしあわせに似たバームクーヘン #短歌
それでもさ叩かれている姿だけよく撮れてるのなんかいやだね #短歌
言えなかったね ぱちんと音をたて蔓だけがもう戻らないこと #短歌
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