処方箋すこし折れてて風の午後 発作の気配にもなれてゆく指 #短歌
しかるべき手順はすでに済ませてる わたしの中の火薬は静か #短歌
信号の青が変わると知りながら8小節ぶんだけ急ぐ #短歌
たまにしか連絡しない距離なのにそばにいるような顔をしていた #短歌
見送られたいわけでもなく自由席 どの窓からも景色が続く #短歌
ちいさめの画面を見つめながら思う 助けてくれるものの無名さ #短歌
笑いかた決めてから着るワンピース きょうのわたしに風が似合って #短歌
誰もいない道にひとつの光だけ画面の中に待たれている名 #短歌
ふりまいたつもりの花がしおれてて傘の中では呼ばない名前 #短歌
チャンネルをかえても帰らない気配だけサザエさんだけ今日も元気で #短歌
横顔でささやくように名前呼びうまく聞こえぬふりのままで #短歌
ふれたのは風か爪先だったかも ほら目が合ったねあなたの #短歌
それだけがゆっくり落ちてくる午後に無限でひかるロープゆれてた #短歌
ふるさとと呼べばにじんだ空の色 ただいまをまだ言えぬ探査船 #短歌
靴ひもをほどかぬままでただ祈る 終電のくに夢の国です #短歌
回転しするのは笑顔でなくときどき「たすけて」と音を出す風 #短歌
なによりも先にほこりをまとっててわたしよりわたしの旅を知ってる #短歌
私ってめんどくさいよと星が言う そこだけ信じて今日も遅刻す #短歌
トースターの奥で鳴る音 目をそらす ガラスになってしまうまえにね #短歌
とじあわせ心の角がはみ出してページのように泣ける水曜 #短歌
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