「愛されるため」って書いてあったタグは今は泡になってまわってる午後 #短歌
午後三時 洗濯機から煙出てわたしはだれの妻でもなくなる #短歌
光の国で一枚だけはぐれた紙 あんなふうに笑っていたい #短歌
雨上がり わたしに似てる電柱がなにかを伝えそうに立ってた #短歌
ふわっとした音がしていた 誰にもなれないまま夕暮れの中 #短歌
なくようなことじゃないって言うときの分け目だけきれいなままだった #短歌
きょうだれとも話していないバスのなか よそ行きのまま降りていく人 #短歌
声はなかった ふたりの子どもを抱いてゆっくり曲がる名前のない角 #短歌
声はなかった ふたりの子どもを抱いてゆっくり曲がる名前のない角 #短歌
行かない旅がいちばん楽しかった ピンクのマーカー全部まぶしい #短歌
風船が割れてわらう きみの声だけがまだ遠くてふあんだった #短歌
星がこわれていくのを見てた あのときの骨だけわたしのまま #短歌
この世界に音がなくなってからもまたひとりでテレビを見てる #短歌
裸足だったことをわたしが知っていた きみじゃない日のわたしのまま #短歌
バッグの中で本が息している音 とくに意味もなく各駅停車 #短歌
生きてって言われた気がした夜だった スープがさめる音ばかりした #短歌
舗装のすきまに草が揺れてた きょうも何処にも完璧はなく #短歌
だれかが去った日 コーヒーの横に並ぶ桜味のマドレーヌがやわらかだった #短歌
陸という名を口にしたとき あなたの手がコップの水にふれていた #短歌
とける前に飲んでたのがなつかしい グラスの底にきみはいなかった #短歌
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