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2024年05月02日03:37

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“名作小説”も著作権フリーとなるとE級映画になってしまうようです。ヨハネス・ハートマン監督「マッド・ハイジ」(2022)。

たまたまWOWOWで4月中に放送したので録画しました。もう1本、「プー あくまのくまさん」という作品も放送しましたが、こちらはパス。「くまのプーさん」も「ハイジ」同様に著作権が切れ、パブリック・ドメインとなったようです。

巻頭、制作会社が“スイス・プロイテーション”という名前で、タランティーノがジョークで巻頭に付けたようなボロボロのロゴで現れた時点で、“やめときゃ良かった”と後悔しましたが、後の後悔先にたたずというやつです。

かつてドライブ・イン・シアターというものが流行し、そっち方面専門のドライブ・イン・エクスプロイテーション映画というものがあったそうです。つまりB級とかC級以下の、D(ドライブ・イン)級とかE(エクスプロイテーション)級ね。

タランティーノが冗談でやってのけた手法を、方法だけ真似てもタランティーノになれるはずがないわけで、“方法だけを論ずるものは退廃する”を実証した映画となっています。何がオモロないかというと、ヒロインが可愛くない。そしてスイスの独裁者が世界征服を企むという筋立てなのでした。

つまりこの独裁者の党員はスイス国旗をあしらった腕章をつけていて、その白十字が45度傾いているからナチスの腕章を彷彿とさせるのです。この発想だけは“上出来”だと思いますが、アニメ「アルプスの少女ハイジ」を日本製だと知らずに見ていた連中が、マカロニ西部劇のセンスでスプラッター映画を作ってもなぁ、と良識ある僕は思うわけです。

こういうおバカ映画は、自分もバカになって楽しまないと損だということは重々承知しているのですが、やはり主人公のハイジに魅力がないと、基本的にダメダメのダメですね。とても「キック・アス」のクロエちゃんを望むべくもない。せめて「ヘンゼル&グレーテル」(2013)のジェマ・アータートン程度にしてくれよ。

今回ハイジを演じた女優さんでは「アリス・クリードの失踪」のジェマ・アータートン以下の“内容”です。←そうか、だから名前がアリス・ルーシーなのか!←勝手に失踪しとれ、ってね。ご丁寧にラストに「続編」の告知までしてくれます。脇キャラだったクララをフィーチャーして、「ハイジ&クララ」ですって。

てなこと言いながら、92分まるまる全部見てしまいました。最近見たダメな日本アニメ2本(シャレじゃないよ)では舟を漕いでいましたが、今回はそれもない。しかし、寝なかったからいい映画で、寝たから悪い映画という論理は通りません。それだったら泣いた映画は全部傑作になってしまう。それぞれ寝た(あるいは泣いた)理由を突き詰めましょう。

ま、こういう冗談映画は製作国がどこであれ、たいてい英語で喋っているから、出来が良ければ英会話のネタになるだろうと踏んだ僕が間違ってました。わりと聞き取りやすい英語だけど、言葉としての面白さなんかあるはずもない。独裁者を演じるキャスパー・ヴァン・ディーンって、名前は知ってるけど、顔と一致する有名俳優ではありません。

この程度の俳優で、“そこそこ名の通ったスター”だなんてのたまう映画評判家(誤植ではありません)は、せいぜい映画検定で高得点を取って自慢してなさい。←最近聞かんなぁ“映画検定”。パチモン検定は淘汰されるということなのかも。審査官たちが全員試験に落ちてたりして(笑)。

ということで良い子は手を出さないようにね。imdbの点数が5.5と、昨今の採点に比べると実に常識的な採点でした。だからといって、こんな点数を信じていたら、ロシアのウクライナ侵略を肯定する事態になる可能性が大ですから、注意しましょうね。

でもって結論はやっぱり、“バカも休み休みイェ〜イ!”でした。
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