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2024年04月17日11:44
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4/13 ほとけの国の美術【後期】＠府中市美術館
この日の定点観測
都心の桜はもう散り始めているというが、府中は少し遅めだろうと花見がてら、いつものように東府中駅から歩く。ランチは以前から気になっていた「カフェ葡萄」で。品の良い老夫婦がやっていて、店内の調度も BGMもよく、料理も丁寧に作られていて美味しかったが、失敗。時間が惜しい。
展示はほとんど入れ替えで、見応えあるものばかりでじっくり3時間。そのあと「涅槃図の塗り絵」などやってしまったので、またコレクション展を見る時間がなくなってしまった。やはり展覧会に行く時は、ランチはささっと済ませるのがいい。
おまけに、暖かな陽気に誘われて、寄り道。定番桜ソフトも。
後期も京都市・二尊院《二十五菩薩来迎図》がお出迎え。美しい菩薩さまにまたお目にかかれて幸せな気分。…と、後期はここからひっくり返る！次に迎え撃つのが、金沢市・照円寺《地獄極楽図》全18幅。死んだら、美しい菩薩さまが音楽を奏でながら迎えに来てくれるものと思いきや、ここでさても恐ろしい死後の世界を見ることになるのだ！
《二十五菩薩来迎図》17幅と《地獄極楽図》18幅、これだけを見に遠路府中まで見にくる価値はある。前期逃した方、ぜひぜひ！
後期パワーアップはそれだけではない。曾我蕭白《雪山童子図》、伊藤若冲《白象図》、河鍋暁斎《波乗り観音図屏風》など有名どころもあり。一方、奔放な筆使いの風外本高やや谷文晁の流れを組む鈴木鵞湖や将軍・徳川綱吉などニッチなところは府中市美の真骨頂。最後は、長沢蘆雪の初公開わんこが4点も！ 日曜日だったせいか、割と混んでいる。会期末期のGWは覚悟した方がいいかも。
撮影は不可。子供用のクイズラリーは大人もできる。全問答えると絵葉書がもらえるので、要チェック。
前期展示はこちらの日記
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では、後期展示から一部ご紹介。
金沢市・照円寺《地獄極楽図》全18幅（一部）
死んだらヒトはどうなるの？素朴な疑問と布教から生まれた地獄極楽図、これまでもいろいろ見てきたが、これほどスペクタルなのはなかった。お寺では春秋のお彼岸の時だけ公開され「絵解き」が行われるという。極彩色で描かれた地獄の図は恐ろしさが半端ないので、夢にうなされそう。
まずは【源信肖像】「往生要集」を記した僧。
次が【天道】良い行いをした人がいく。え？良い行いをすれば極楽に行くんじゃないの？それは甘い！信心がなければダメなのね。最初は空を飛んだり楽しく過ごすが、だんだんと花の髪飾りは朽ち、羽衣は汚れ、目も見えなくなり一人寂しく死ぬ、輪廻転生。市松模様の床がシュールレアリスム絵画のよう。
【人道１】生前品行方正でも八苦に遭う。鼠に飛びかかる猫が描かれているのはなぜ？
【人道２】いわゆる「九相図」ああ、無常！
【阿修羅道】帝釈天らと戦う阿修羅の図。そのせいで多くの者が逃げ遅れて襖障子の下敷きになっている。
【畜生道】人から施しを受けるばかりで、他の物に償をしなかった者が行く。弱肉強食の世界。人面畜生が虐げられている。
【餓鬼道】欲にかられた人が行く。常に飢えと渇きに苦しむ。
しかしながら、本番の地獄はここから。8つの罪の数でその階級が決まる。階級が一つ上がるごとに10倍の苦しみになるという。
【等活地獄】罪人同士が互いに殺し合う。やっと終わったと思ったら、鬼が「カツカツ（活々）と唱えると生き返るという。
【黒縄地獄】熱せられた鉄縄で縛られ、その線に沿って鋸で切られる。
【衆合地獄】左上、大岩が落ちる様を示した赤のシャープな三角形と右下のメラメラと燃える火炎の曲線の対比が見事。
【叫喚地獄・大叫喚地獄】ぐつぐつと煮えたぎる大釜に放り込まれる亡者。「ぐつぐつ」の泡が執拗に描かれている。
【焦熱地獄・大焦熱地獄】青鬼と赤鬼が男女の足を持って体を引き裂く、血飛沫がすごい。
月岡芳年もびっくりな絵。
体を槍が突き抜ける。梅図かずおもびっくりな絵。
【阿鼻地獄】最も底にある地獄。苦中の苦。落ち続けることなんと2千年！火を吹く500億の虫がいる。恐ろしい鬼や竜に食われ、煮えたぎる釜におち、剣の山、針の山を歩く。なんと言っても怖いのが恐怖に慄く亡者の顔！
【聖衆来迎楽】
【五妙境界楽・身相神通楽・蓮華初聞楽】
【聖衆倶会楽・引接待縁楽】
引接待縁楽は自分の縁者を招き入れることができるそうだ。極楽に行った親戚を持つと良いかも？
【快楽悪退楽】
【増道仏道楽・随心供会楽・見仏開道楽】
あまりのインパクトにしばし茫然自失でした…。
遂翁元蘆《隻履達磨図》
片方の靴を手に持ってインドに帰る達磨さん。ちょっとほっこりさせられた。それもそのはず、作者は白隠の弟子。
冷泉為恭《五髷文殊菩薩像》
高山寺の文殊菩薩の模写とのことだが、渋い描き表装が鮮やかな菩薩を引き立てて、さすが復古やまと絵師。
酒井抱一《文殊菩薩像》
前期鈴木其一の《毘沙門天像》にはぐっとハートを掴まれたが、やはり江戸琳派絵師は仏画もいい。肩を張った両腕の力強さや引き締まった腹は美。色調も美しい。
豪潮《日天・月天像》
作者は天台宗の僧。空海が持ち帰った図を模写したもの。なびく衣と炎が優美。月天のもつうさぎが可愛かった。
原在中《寒山拾得図》
寒山拾得図は、後期は曾我蕭白、徳川綱吉、原在中がエントリー。奇行な二人というが、これはほのぼのしてていい。
曾我蕭白《雪山童子図》
久々にこの絵にまみえて感動。青が記憶以上に鮮やか。
河鍋暁斎《波乗り観音図屏風》
府中市美寄託のものなので、以前の江戸絵画まつりでも見ているが、美しく不思議な絵。観音様をなぜ美女と鬼が追っているのか謎。静嘉堂文庫蔵の《地獄極楽めぐり》のように創作的。
画像が全く見つからない風外本高は《虎図自画賛》《鍾馗と鬼図》どちらもほんわかユーモアに溢れていて楽しい。曹洞宗の画僧。
仙�儺想陝埆熟四經楚沺�
大変精緻で上手い鈴木鵞湖の十六羅漢図と並んで展示。思わず吹き出してしまったが、十六羅漢図に必ず描かれるアイテムはちゃんと描いてある。
名古屋市・西来寺《八相涅槃図》
大きな軸。左下に鯨（珊瑚を捧げる）など海の生物が書いてあるのは珍しいらしい。うっ伏して泣く象さん、地団駄踏んで嘆く獅子さん…皆悲しんでいます。
伊藤若冲《白象》
鼻の皺をぐいっぐいっと筆を運んで描く、やっぱりすごいわ。享保13年日本にやって来たのは灰色のアジアゾウだったそうだが、日本人にとって象は、普賢菩薩が乗る白象のイメージなんだね。
狩野雅信《蘆舟鷺図》
冷たい雨に体をくっつけて暖を取る３羽の鷺。なにということのない光景なのだが、「寒かろう…」と思わずつぶやいてしまう優しさがこの絵にはある。
狩野栄信《牡丹子犬図》画像なし
ぶちの子犬三匹が戯れる図。そういえば府中市美は猫をあまり出さないなぁ。狩野派だったら養信が《薬玉に猫図》という可愛らしい猫の絵を描いているのに。
毛利就
（木へんに貞）《鼬と雀図》
後期展示だが展示期間がさらに短期らしく（作品リストに書いていない）、まだなかった。どんな絵なのか気になる。
円山応挙《芭蕉と虫図》
芭蕉の葉の上方に蜘蛛の巣が張ってある。目を下方に移すと葉の先から一本の蜘蛛の糸、その先、画面右端に逃げる虫。ただの黒い点のような虫だが、蜘蛛の餌食にならず命からがら逃げおおせた安堵のため息が聞こえるような絵。
伊藤若冲の《垣豆群虫図》もまた、虫の命を思いやる心が反映。日本人ならでは。
俵屋宗達《狗子図》（部分）は、白の子犬。たらし込みの黒犬よりクルンと丸まった尻尾と振り向く姿が可愛らしい。
最後は長沢蘆雪、４作！前期展示の屏風と合わせて、全て初公開。
《童子に狗子図》
子犬は戯れているつもりでも子供は怖い。弟は兄にしがみつき、兄は梅の枝を振り上げて追い払おうとする。私も幼い頃はキャンキャン吠える近所のスピッツが怖かったなぁ。
《枯木狗子図》
よりそう子犬の背中のかわいらしさ。すっと下に垂れ下がる枯れ木の枝がいい。応挙さんにも蘆雪さんにも、これで猫を描いて欲しかった。
《狗子図》
わざと簡略化した子犬。それぞれの表情に子犬ながらに性格の違いが出ている。短い直線２本で瞑った目をこんなにも愛くるしく表現できるなんて。
怖い怖い死後の世界で始まった展覧会も、尊き小さな命にほっこりして終わる。めでたし。
前回は「ポケット御本尊」を作ったので、今回は「涅槃図塗り絵」に挑戦。
完成と思って家に持ち帰ったら、塗り残しがあってガーン。
でも、ちゃんと猫を描き加えておいたよ。猫だってお釈迦様の入滅を悲しむのだ。
５月6日まで
都心の桜はもう散り始めているというが、府中は少し遅めだろうと花見がてら、いつものように東府中駅から歩く。ランチは以前から気になっていた「カフェ葡萄」で。品の良い老夫婦がやっていて、店内の調度も BGMもよく、料理も丁寧に作られていて美味しかったが、失敗。時間が惜しい。
展示はほとんど入れ替えで、見応えあるものばかりでじっくり3時間。そのあと「涅槃図の塗り絵」などやってしまったので、またコレクション展を見る時間がなくなってしまった。やはり展覧会に行く時は、ランチはささっと済ませるのがいい。
おまけに、暖かな陽気に誘われて、寄り道。定番桜ソフトも。
後期も京都市・二尊院《二十五菩薩来迎図》がお出迎え。美しい菩薩さまにまたお目にかかれて幸せな気分。…と、後期はここからひっくり返る！次に迎え撃つのが、金沢市・照円寺《地獄極楽図》全18幅。死んだら、美しい菩薩さまが音楽を奏でながら迎えに来てくれるものと思いきや、ここでさても恐ろしい死後の世界を見ることになるのだ！
《二十五菩薩来迎図》17幅と《地獄極楽図》18幅、これだけを見に遠路府中まで見にくる価値はある。前期逃した方、ぜひぜひ！
後期パワーアップはそれだけではない。曾我蕭白《雪山童子図》、伊藤若冲《白象図》、河鍋暁斎《波乗り観音図屏風》など有名どころもあり。一方、奔放な筆使いの風外本高やや谷文晁の流れを組む鈴木鵞湖や将軍・徳川綱吉などニッチなところは府中市美の真骨頂。最後は、長沢蘆雪の初公開わんこが4点も！ 日曜日だったせいか、割と混んでいる。会期末期のGWは覚悟した方がいいかも。
撮影は不可。子供用のクイズラリーは大人もできる。全問答えると絵葉書がもらえるので、要チェック。
前期展示はこちらの日記
https:/
では、後期展示から一部ご紹介。
金沢市・照円寺《地獄極楽図》全18幅（一部）
死んだらヒトはどうなるの？素朴な疑問と布教から生まれた地獄極楽図、これまでもいろいろ見てきたが、これほどスペクタルなのはなかった。お寺では春秋のお彼岸の時だけ公開され「絵解き」が行われるという。極彩色で描かれた地獄の図は恐ろしさが半端ないので、夢にうなされそう。
まずは【源信肖像】「往生要集」を記した僧。
次が【天道】良い行いをした人がいく。え？良い行いをすれば極楽に行くんじゃないの？それは甘い！信心がなければダメなのね。最初は空を飛んだり楽しく過ごすが、だんだんと花の髪飾りは朽ち、羽衣は汚れ、目も見えなくなり一人寂しく死ぬ、輪廻転生。市松模様の床がシュールレアリスム絵画のよう。
【人道１】生前品行方正でも八苦に遭う。鼠に飛びかかる猫が描かれているのはなぜ？
【人道２】いわゆる「九相図」ああ、無常！
【阿修羅道】帝釈天らと戦う阿修羅の図。そのせいで多くの者が逃げ遅れて襖障子の下敷きになっている。
【畜生道】人から施しを受けるばかりで、他の物に償をしなかった者が行く。弱肉強食の世界。人面畜生が虐げられている。
【餓鬼道】欲にかられた人が行く。常に飢えと渇きに苦しむ。
しかしながら、本番の地獄はここから。8つの罪の数でその階級が決まる。階級が一つ上がるごとに10倍の苦しみになるという。
【等活地獄】罪人同士が互いに殺し合う。やっと終わったと思ったら、鬼が「カツカツ（活々）と唱えると生き返るという。
【黒縄地獄】熱せられた鉄縄で縛られ、その線に沿って鋸で切られる。
【衆合地獄】左上、大岩が落ちる様を示した赤のシャープな三角形と右下のメラメラと燃える火炎の曲線の対比が見事。
【叫喚地獄・大叫喚地獄】ぐつぐつと煮えたぎる大釜に放り込まれる亡者。「ぐつぐつ」の泡が執拗に描かれている。
【焦熱地獄・大焦熱地獄】青鬼と赤鬼が男女の足を持って体を引き裂く、血飛沫がすごい。
月岡芳年もびっくりな絵。
体を槍が突き抜ける。梅図かずおもびっくりな絵。
【阿鼻地獄】最も底にある地獄。苦中の苦。落ち続けることなんと2千年！火を吹く500億の虫がいる。恐ろしい鬼や竜に食われ、煮えたぎる釜におち、剣の山、針の山を歩く。なんと言っても怖いのが恐怖に慄く亡者の顔！
【聖衆来迎楽】
【五妙境界楽・身相神通楽・蓮華初聞楽】
【聖衆倶会楽・引接待縁楽】
引接待縁楽は自分の縁者を招き入れることができるそうだ。極楽に行った親戚を持つと良いかも？
【快楽悪退楽】
【増道仏道楽・随心供会楽・見仏開道楽】
あまりのインパクトにしばし茫然自失でした…。
遂翁元蘆《隻履達磨図》
片方の靴を手に持ってインドに帰る達磨さん。ちょっとほっこりさせられた。それもそのはず、作者は白隠の弟子。
冷泉為恭《五髷文殊菩薩像》
高山寺の文殊菩薩の模写とのことだが、渋い描き表装が鮮やかな菩薩を引き立てて、さすが復古やまと絵師。
酒井抱一《文殊菩薩像》
前期鈴木其一の《毘沙門天像》にはぐっとハートを掴まれたが、やはり江戸琳派絵師は仏画もいい。肩を張った両腕の力強さや引き締まった腹は美。色調も美しい。
豪潮《日天・月天像》
作者は天台宗の僧。空海が持ち帰った図を模写したもの。なびく衣と炎が優美。月天のもつうさぎが可愛かった。
原在中《寒山拾得図》
寒山拾得図は、後期は曾我蕭白、徳川綱吉、原在中がエントリー。奇行な二人というが、これはほのぼのしてていい。
曾我蕭白《雪山童子図》
久々にこの絵にまみえて感動。青が記憶以上に鮮やか。
河鍋暁斎《波乗り観音図屏風》
府中市美寄託のものなので、以前の江戸絵画まつりでも見ているが、美しく不思議な絵。観音様をなぜ美女と鬼が追っているのか謎。静嘉堂文庫蔵の《地獄極楽めぐり》のように創作的。
画像が全く見つからない風外本高は《虎図自画賛》《鍾馗と鬼図》どちらもほんわかユーモアに溢れていて楽しい。曹洞宗の画僧。
仙�儺想陝埆熟四經楚沺�
大変精緻で上手い鈴木鵞湖の十六羅漢図と並んで展示。思わず吹き出してしまったが、十六羅漢図に必ず描かれるアイテムはちゃんと描いてある。
名古屋市・西来寺《八相涅槃図》
大きな軸。左下に鯨（珊瑚を捧げる）など海の生物が書いてあるのは珍しいらしい。うっ伏して泣く象さん、地団駄踏んで嘆く獅子さん…皆悲しんでいます。
伊藤若冲《白象》
鼻の皺をぐいっぐいっと筆を運んで描く、やっぱりすごいわ。享保13年日本にやって来たのは灰色のアジアゾウだったそうだが、日本人にとって象は、普賢菩薩が乗る白象のイメージなんだね。
狩野雅信《蘆舟鷺図》
冷たい雨に体をくっつけて暖を取る３羽の鷺。なにということのない光景なのだが、「寒かろう…」と思わずつぶやいてしまう優しさがこの絵にはある。
狩野栄信《牡丹子犬図》画像なし
ぶちの子犬三匹が戯れる図。そういえば府中市美は猫をあまり出さないなぁ。狩野派だったら養信が《薬玉に猫図》という可愛らしい猫の絵を描いているのに。
毛利就
（木へんに貞）《鼬と雀図》
後期展示だが展示期間がさらに短期らしく（作品リストに書いていない）、まだなかった。どんな絵なのか気になる。
円山応挙《芭蕉と虫図》
芭蕉の葉の上方に蜘蛛の巣が張ってある。目を下方に移すと葉の先から一本の蜘蛛の糸、その先、画面右端に逃げる虫。ただの黒い点のような虫だが、蜘蛛の餌食にならず命からがら逃げおおせた安堵のため息が聞こえるような絵。
伊藤若冲の《垣豆群虫図》もまた、虫の命を思いやる心が反映。日本人ならでは。
俵屋宗達《狗子図》（部分）は、白の子犬。たらし込みの黒犬よりクルンと丸まった尻尾と振り向く姿が可愛らしい。
最後は長沢蘆雪、４作！前期展示の屏風と合わせて、全て初公開。
《童子に狗子図》
子犬は戯れているつもりでも子供は怖い。弟は兄にしがみつき、兄は梅の枝を振り上げて追い払おうとする。私も幼い頃はキャンキャン吠える近所のスピッツが怖かったなぁ。
《枯木狗子図》
よりそう子犬の背中のかわいらしさ。すっと下に垂れ下がる枯れ木の枝がいい。応挙さんにも蘆雪さんにも、これで猫を描いて欲しかった。
《狗子図》
わざと簡略化した子犬。それぞれの表情に子犬ながらに性格の違いが出ている。短い直線２本で瞑った目をこんなにも愛くるしく表現できるなんて。
怖い怖い死後の世界で始まった展覧会も、尊き小さな命にほっこりして終わる。めでたし。
前回は「ポケット御本尊」を作ったので、今回は「涅槃図塗り絵」に挑戦。
完成と思って家に持ち帰ったら、塗り残しがあってガーン。
でも、ちゃんと猫を描き加えておいたよ。猫だってお釈迦様の入滅を悲しむのだ。
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