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2024年04月29日16:12

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4/28 文化勲章 三代の系譜 上村松園・松篁・淳之@日本橋高島屋S.C.と宴vol.3 THE SEITEI@加島美術

この日、東京も夏日。だけどカラッとしている。展示の規模が大きくないが、日本橋から京橋へ移動する日程にはちょうど良い。



日本橋高島屋新館地下でフォーランチ、それから恒例ソフトクリーム(笑)

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文化勲章 三代の系譜 上村松園・松篁・淳之
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/uemura_sandaiten/index.html
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親、子、孫まで三代にわたって日本画の美をそれぞれに追い求め、その功績で文化勲章を受章した上村松園(しょうえん/1875-1949)、松篁(しょうこう/1902-2001)、淳之(あつし/1933-)の三人の画業を紹介する展覧会を開催いたします。
松園は、格調高い美人画で1948年に女性として初となる栄誉に輝きました。松篁は自然を描く新たな日本画表現を追究して1984年に受章。そして2022年、鳥の姿を通じて自然の神秘を描写し続けてきた淳之が受章しました。それぞれモチーフや画風は異なりますが、描くことへの情熱や根底にある美意識が世代、時代を超えて静かに受け継がれ、現代に繋がれています。
日本画の美を継承してきた、上村家三代の作品をご堪能ください。


京都の高島屋で開催後日本橋に巡回。松園40点、松篁13点、20点。

三代合同の展覧会はこれまでもあって、直近では22年東京富士美術館が思い出される。上村松園に至っては、21年に京都市京セラ美術館で見たのが記憶に新しい。この時も松柏美術館所蔵のものが多かったので今回は結構ダブる。
とはいえ、精緻に描かれた美しい着物を纏う凛とした美人の画や写実と装飾が融合した静謐な動植物の画は何度見ても心和む。
百貨店催事場らしく、ややざわついた会場は致し方ないが、GWの割には空いていた。

上村松園

《清少納言》
大河ドラマ「光る君へ」では4月21日の放映で、このシーンがあった。「紫式部日記」によると清少納言の髪はやや茶色がかってクセがあったとか。この絵でもそうと見れば、ややクセ毛か。
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《羅浮仙女図》
梅の精「羅浮仙」松園は、日本女性だけでなく、中国ものも違和感なく上手いと思う。
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《娘》
二曲一隻の屏風。やや地味目のブルーグレーの着物が却って娘たちの美しさを際立たせていた。
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《天明頃の娘》
そういえば、松園は時代や身分による女性の髪型をとても熱心に研究していたという。
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《初春》
羽子板に、娘の着物柄は小松引き。扇を糸で引くのはなんの遊びだろう。翻った着物の袖や裾に娘の正月を楽しむ気持ちが表れてて好きな絵。
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上村松篁

《冬暖》
なんて愛らしい絵でしょう。人形を手に持ったまま、遠くの何かに気を取られている少女。何が見えたのかな。妹は障子の桟の凹みに折り紙のやっこさんを立てようとしているみたい。二人の真っ赤なほっぺもかわいい。
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《青柿》
これも好きな絵。雨がしこたま降った後、葉に溜まった雨水が何かの拍子につーと流れ落ちる。その線が効いている。青柿の瑞々しさがいい。
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《熱帯花鳥》
トーチジンジャーと極楽鳥、日本画になりづらい題材も花鳥であれば、花鳥画。
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上村淳之

《月に》
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《夕日に》
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ブラックバックというカモシカ。月の使者と言われ、雄は凛々しい姿で月光に照らされている。メスは暖かい夕日に包まれ、子を愛しむ。
私は顔の表情がない鳥獣に人間と同じような情感を込める絵が基本的に好きだ。

《初めての冬》
こちらもそうで、淳之氏のご子息が独立した時に思いを込めて描いたという。親離れした小狐兄弟が初めての冬を迎え 狩がままならない様子を描いている。
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《蓮池》
父・松篁が心筋梗塞で倒れた時、医者にはリスクのある手術を勧められなかったが、何もせずに衰えていくより一か八か絵筆を再び取れることに望みをつないがだほうが父にとっていいと考えたそうだ。その時の絵。抽象的な作品なだけに、思いを馳せることができる。
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5月6日まで


高島屋を出て、京橋を目指す。ゆっくり歩いて15分〜20分くらいか。途中アーティゾン美術館があるが、隣の建築中のビルは土台工事が終わってすでに高く聳え立っていた。


宴vol.3 THE SEITEI
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https://www.kashima-arts.co.jp/exhibitions/utagevol3-theseitei/?utm_source=corp&utm_medium=banner&utm_campaign=seitei5&utm_content=corp-footer
明治から大正時代に活躍をした孤高の日本画家・渡邊省亭の珠玉の名品が一堂に会する企画展「宴 Vol.3 The SEITEI」を開催いたします。渡邊省亭初の大型画集『渡辺省亭画集』に所載される花鳥画や歴史画、美人画、仏画、風景画、動物画に節句画など多彩な24点を中心に、省亭の妙なる魅力をご紹介いたします。
明治期に日本画家として初めてパリに渡り、印象派の画家たちをはじめ西欧の人々を魅了した絵師・渡邊省亭。フェノロサや岡倉天心からも認められていたにも関わらず、晩年は画壇に属さず、弟子もとらず、市井の画家として画業に専念したため、類稀なる実力と海外での評価とはうらはらに、近代美術史の中でその名は埋もれていました。しかし、2021年、東京藝術大学大学美術館にて国内美術館初となる大規模な回顧展「渡辺省亭—欧米を魅了した花鳥画—」が開催され、さらに省亭の全貌に迫る初の大型画集『渡辺省亭画集』が小学館より刊行されるなど、国内外の日本美術の研究者や愛好家を中心に、再評価の機運は高まり続けています。
加島美術では、近年の省亭再評価の一端を担うべく、2017年以降国内外の皆様に省亭作品をご紹介してまいりました。本展では、『渡辺省亭画集』所載の名品24点を中心に明治初期から大正にわたって描かれた多彩な作品を展示いたします。会期中には、省亭関連書籍の店頭特別販売や、日本美術継承協会の企画による渡邊省亭の再評価に深く関わる山下裕二氏、古田亮氏のトークイベントを行います。

トークイベントは夜までかかりそうなので申し込まず。少し敷居の高い画廊だが、無料でガラスケースなしで見られるのはありがたいので、いつも緊張しながらも楽しむ。ある意味常連だもん(笑)作品リストはなし。メモもせず、画像検索できずなので、レポは少なめで申し訳ない。写真撮影も不可(ずっと前は可能だったはず)
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外のケースに展示してあった作品。これだけは撮影可(だと思う)
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《竜頭観音》
これが本当に美しかった。麻の葉模様の衣を纏うのって珍しいような気もする。観音様でありながら、女性そのもの。
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《四季江戸名所》
21年後期がコロナで中止になった「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画@東京藝術大学大学美術館」で見た。
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どれも良いが、私は、省亭の雪景色が好き。木の枝にふわっと積もった様子、積もった先からこぼれ落ちる瞬間の様子などなど。

それから、鳥の胸毛や羽の先、のふわふわっとした表現。筆の先でささっと短く入れる線が柔らかくていいのだ。
今回も、そんな省亭マジックを堪能できる絵が多かった。

双幅の軸ものには、洒落た趣向も。

《袈裟御前 瀑布》は、右幅は、文覚に言い寄られ、髪を切ろうとする袈裟御前の姿だが、左は滝、人の姿はない。が、滝行といえば文覚なのであえて描いていないのだ。

《雪月花》も普通は3幅対なのに双幅。よく見れば、右幅は春雨に打たれ散る桜の花びら、左幅は、月の夜にちらちらと舞う雪が描かれている。

こちらは、鍾馗様が鞠を蹴る図。よく見ると鞠は鬼が丸まったもの。左幅は鯉、端午の節句を祝う双幅なのである。
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他には、こちらもタイムリーに《石山寺》もちろん紫式部の絵。

珍しいのは《猫に蝶図》
縁起物の画題だが、猫がフジタの猫に少し似ていて可愛くない。でも。見られて満足よ。
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こちらは5月12日まで



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