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2024年01月09日20:23

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元議員宅へ

 朝食後、クイックルでささっと床拭きをしたあと、パソコンを起ち上げた。メールチェックとルーティンのニュースチェックとブログを2、3読んだあと、すぐにpages(Mac付属のワープロ)を起動。
 今日は午後2時、元国会議員宅にうかがってコーヒーを片手に会話をするお約束。
 彼は1940年生まれだから84歳ということになる。昨年、無礼にも「あと何年の寿命だとお思いですか?」と尋ねたところ、絶句しつつ「5年以内だと考えている」と返答された。
 pagesの画面に以下のようなメモを書いた。

●知足安分という信条について伺いたい
Älä aseta suuria toiveita ja ole tyytyväinen tilanteeseesi.
●社会に対する義務感が伴わないという自分
Koen, että minulla ei ole velvollisuudentuntoa yhteiskuntaa kohtaan.
●人間とはなにか、自分とは何かを悟る
Ymmärrä, mitä ihmiset ovat ja mitä olet
●自己の利益を最優先する、という(市場原理主義的な資本主義)考え方の愚かさ
Omat edut etusijalle asettamisen ajatuksen typeryys (markkinafundamentalistinen kapitalismi)
●引退しても退屈なんてない
Eläkkeelläkään ei ole tylsää
ex.(『マルガリータ(Margarita)』(Anni Kytömäki アンニ・キトマキ )の翻訳

 取材ではなくただの歓談ゆえ、こんな質問項目はまったく必要がない。にもかかわらず、あらためて「遺書」を作り直すのであれば、私がそのお力添えをする用意がある、ということを示そうと考えた。
 要点を彼の母語フィンランド語に翻訳しておいた。Googleを使って日本語→英語→フィンランド語と2段階で翻訳すると、ほぼ正確に意志を伝えられる。英訳が正しくなされていることをチェックした上でのフィンランド語訳。
 30分くらい時間を使ったのち、うちから歩いて10数分のフィンランド人が経営しているパン屋に向かった。元議員へのお土産である。
 入店して経営者兼パン職人に挨拶をしたら、先月、お会いしましたと。
 1500円ほどのパンを買って家に引き返し、ランチを摂ったのち、クルマに乗り込んだ。
 約束の15分くらい前に到着。メモを渡した上で、「気にしないでください。お互いの近況報告でもしましょう」と告げる。
「今年の8月、生涯最後のフィンランド旅行へ行きます。年末にチケットをとりました。いまは無事里帰りが出来るよう、リハビリに取り組むだけです」
 こんな前置きから雑談が始まった。
 約2時間でお宅をあとにした。また来てね、とご夫妻から言われたので、「もちろん。毎月来ましょうか」とマジで返した。いまや”わたくし”と付き合いのある日本人はこの僕と、この僕を元議員に引き合わせたフリー編集者で大学の先輩でもあるAさんだけとのことなので、せいぜい通いましょう。

 帰りに元議員宅からほど近い業務スーパーへ行って、食料を少々調達。ちょっと疲れていることと日暮れ時は視界が悪いことから、運転するのが怖くなった。業スーで買ったココナッツクリーム・ウエハースを数枚食べたら元気が出そうなんだが……、と思ったものの、クルマの中ではいっさい物を食べないので、我慢した。
 日日是好日。神のご加護もあって(議員と違ってキリスト者ではないが)無事に過ぎた。
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