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2023年12月14日22:24

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遠征を終えて/「大黒屋光太夫」

わずか二泊三日ながら、遠出してすっきりした。インドアおたくではあるが、家の周辺だけで過ごすのは生活が単調になる。何度も見ているが、今回唯一のミクイベントなので行って良かった。他の芝居も面白かったし、「江戸前エルフ」と「ぼっち・ざ・ろっく」の単行本も秋葉原で買えた。

久し振りに読書日記。
・大黒屋光太夫 上・下(03) 作:吉村昭
漂流記というジャンルが昔から好きだ。みなもと太郎の漫画で大体のところは知っているが、鎖国時代の日本人漂流記とあっては読まずにはいられない。

17名の船乗りを乗せた回米船は暴風のため、アリューシャンの小島に漂着した。飢えと寒さのため仲間たちは次々と倒れていく。過酷な自然の描写に寒気がする。最終的に故郷に帰れたのは、わずか二人。
苦難の連続に読むのが辛くなる。それにも増して鎖国時代の日本人が、ロシア帝国のエカテリーナ女帝に拝謁したという史実は驚くしかない。どれ程のカルチャーショックであったことか。世界を見てしまった男の受けた衝撃は、現代人には想像もできないものだったろう。異文化と旅行が好きな私には羨ましく思える。もっとも自分なら漂流の序盤で死ぬだろうが。

もうひとつ、光太夫たちを助けたロシア人が多いのに感心した。漂流民なんか身ぐるみ剥いで殺してもどこからも文句は出ないのに、ほとんどのロシア人が親切だ。犠牲者はすべて衰弱死で、悪意で殺された者は一人もいない。人間讃歌というのは大袈裟だが、少なくとも民族や国籍を理由に外国人を敵視するのが大間違いであると断言できる。★★★★
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