盛田常夫の大学体育会批判

過日（2023.7.22）のこの欄に「盛田常夫の２０世紀社会主義批判」という記事を載せたが、その盛田さんが下記論稿にて日大アメフト部のくだんの事件を切り口として、私立大学における体育会権力という問題を取り上げている。「体育会権力」という用語を初めて聞いたが、なるほどそのように言うべき問題なのだろうと納得した。

彼の２０世紀社会主義批判においては、かつてユーゴスラヴィアの自主管理社会主義を称賛していた人々はその後のかの国の残虐な内戦についてどう考えているのか、私はつとに一書をもって考えを述べた、というように言っていたが、下記論稿においても「日大アメフト問題にコメントする識者は、まず自らが所属する集団に同種の問題がないか反省するのが先だ」などと書かれているくだりには、彼の筆法が光っている。

盛田さんは大学問題の専門家というわけではないが、このように切り込めるのはかつて（1975〜1991）法政大学の教員という仕事を経験しているからだろう。その後、ハンガリーについて本気で論じるためにはハンガリーに身を置かねばならぬと考えて法政大学を自ら退職し、ブダペストに暮らしつつ仕事ができる職場に移って現在に至っている。

↓盛田常夫「大学体育会の何が問題なのか――スポーツと権力を考える」（リベラル２１　2023.9.4）

http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-6237.html


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