教授の退職記念展。
三浦明範
vanitas vanitatum
@武蔵野美術大学美術館
銀筆を使った精緻な描写
モノクローム作品は特にひやりとするほどの静謐さに満ちています。
磯江毅を思わせるといっては双方に失礼でしょうか。
シルバーポイントには、40歳過ぎて渡ったベルギーで古式画法の研究に打ち込むなかで
出会ったのだといいます。
実際に三浦には『絵画の材料』『絵画の表現(共著)』といった著書もあり、材料や技法を研究した上で
敢えて選んだのがシルバーポイントだったということでしょう。
展覧会ではもちろんカラーのテンペラ?作品もあるのですが
圧倒的にモノクロ作品が多い。
人物は、女性のヌードなら必ず後ろ向きに横たわっていて生きているのかどうかもわからない。
まるでささげもののよう。
そう、祭壇じみているのです。
心に残ったのは
◆シュレディンガーの箱
という作品。画面中央に開き戸のついた古びた立方体の箱。
上にのっているのはガラス瓶に入った標本が2つ、
動物の頭骨、スノードーム。
天井から吊るされた鳥。
箱の背後に外された掛け時計。
画面右下に咲きかけの薔薇の花。
8月13日にて終了。
https://mauml.musabi.ac.jp/museum/news/events/20684/
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