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2023年07月09日21:00

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民藝

柳宗悦『民藝とは何か』を読んで臨みました。

美は暮らしのなかにある
民藝 MINGEI
@中之島美術館

東京国立近代美術館の『柳宗悦没後60年記念民藝の100年』(2021年)とどう違うのかと思っていました。
結果、東京展が民藝前夜の渡来作品や白樺派資料に始まり富本憲吉とﾊﾞｰﾅｰﾄﾞ・ﾘｰﾁについても章をさき、
文字通り100年の歴史を民藝ﾌﾞｰﾑまで展開したのに対して、
本展では『日本民藝美術館設立趣意書』(1926)を掲げて彼らの再発見した美のかたちを衣食住の場面に分けて紹介、
展覧会のはじめと終わりに
・日本民藝館のｺｰﾃﾞｨﾈｲﾄ
・BEAMS出身・MOGIによるｺｰﾃﾞｨﾈｲﾄ
という2つのｲﾝｽﾀﾚｰｼｮﾝを見せ
現代の私たちにどう民藝の精神を生かすか、美しい暮らしとはどのようなものかを提案しています。

と同時に
・小鹿田焼(坂本工窯大分)
・鳥越竹細工(柴田恵岩手)
・丹波布(兵庫)
・八尾和紙(桂樹舎富山)
・倉敷ｶﾞﾗｽ(小谷栄次岡山)
と5産地の現代の手仕事を映像と作品で紹介し
厳しい一端も覗かせて、観るものに"まもらなければ"という意識を起こさせようとしているようでした。

展示物は圧倒的に日本民藝館のものが多く(他に静岡市立芹沢銈介美術館からも)、
個人蔵のものが次いで多かったのがさすが民藝という感じでした。

個人的に印象深かったものは

◆高林兵衛所蔵であった照明器具
同氏は静岡の旧家当主であり正に民藝の道具たちに囲まれて暮らしていたようで。
自邸内に日本民藝美術館を設立したこともあった。
柳たちと袂を分かったことが惜しまれる。

◆駒散し文様羽織(江戸時代)
野で狩をするとき馬追い係に揃いで着せた羽織。
茶色に白抜きで将棋の駒を大胆に散らした意匠がしゃれていました。

◆燭台(江戸時代)
蝋燭皿から湾曲して伸びる持ち手、皿の下には切り詰め用のハサミが掛けられ
持ち手の下には蓋つき容器に芯を捨てるつくり。
まさに用の美です。

会場内はしつらえられた２つの部屋のみ撮影ができました。

◆柳宗悦によるﾗｲﾌｽﾀｲﾙ提案