mixiユーザー(id:21651068)
2023年02月05日05:51
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ベルクグリューン美術館のピカソ
国立西洋美術館からようやく巡回してきました。
ﾋﾟｶｿとその時代
ﾍﾞﾙﾘﾝ国立ﾍﾞﾙｸｸﾞﾘｭｰﾝ美術館展
@国立国際美術館
ﾊﾟﾘで画廊を経営していたﾊｲﾝﾂ・ﾍﾞﾙｸｸﾞﾘｰｭﾝが個人ｺﾚｸｼｮﾝを公開したﾍﾞﾙﾘﾝの美術館。
1996年開業、と新しいため、訪れたことのある人も少なく、日本初公開作品も76点/97点 (展覧会自体には日本の国立美術館の作品11点も加えて108点が出ています)、
その殆どが撮影可能！という嬉しい展覧会です。
会場に入るとまず、画廊時代のｶﾀﾛｸﾞがずらり14点。
「ｱﾝﾘ・ﾏﾃｨｽ切り紙絵」「ｸﾚｰの宇宙」「ﾋﾟｶｿ90歳記念90の版画」…
そして最初に購入したﾋﾟｶｿ、《眠る男》。
【展覧会構成】
序 ﾍﾞﾙｸｸﾞﾘｭｰﾝと芸術家たち
�� ｾｻﾞﾝﾇ〜近代芸術家たちの師
�� ﾋﾟｶｿとﾌﾞﾗｯｸ〜新しい造形言語の創造
�� 両大戦間のﾋﾟｶｿ〜古典主義とその破壊
�� 両大戦間のﾋﾟｶｿ〜女性のｲﾒｰｼﾞ
�� ｸﾚｰの宇宙
�� ﾏﾃｨｽ 安息と活力
�� 空間の中の人物像〜第二次大戦後のﾋﾟｶｿ、ﾏﾃｨｽ、ｼﾞｬｺﾒｯﾃｨ
青の時代/ばら色の時代の作品こそ1点ずつしかありませんでしたが
《ｱｳﾞｨﾆﾖﾝの娘たち》のためのﾃﾞｯｻﾝや
古典主義でありながらぼってりと大きな手足の《座って足を拭く裸婦》
などﾊﾞﾗｴﾃｨ豊かな作品のｵﾝﾊﾟﾚｰﾄﾞに
写真を撮るのも忘れて見入ってしまいました。
中でも印象的だったものいくつか。
◆ｱﾌﾞｻﾝﾄのｸﾞﾗｽ
三次元のｷｭﾋﾞｽﾑ作品ですねこれは。
◆窓辺の静物 ｻﾝ=ﾗﾌｧｴﾙ
室内からﾌﾗﾝｽ窓を通して外の景色を臨む作品はﾏﾃｨｽにもありましたが(《室内、ｴﾄﾙﾀ》)
ﾃｰﾌﾞﾙの上のｷﾞﾀｰや梨の籠が分解再構築され、1つの画面で具象とｷｭﾋﾞｽﾑが同居しているのがﾋﾟｶｿの面目躍如。
それでいて夢見るような色彩の美しい作品でした。
◆本を読む女
理屈からいえばその次の《闘牛士と裸婦》の方がﾍﾞﾗｽｹｽ+ﾚﾝﾌﾞﾗﾝﾄ+ｷｭﾋﾞｽﾑ+青の時代 とあらゆる要素が見られて面白いのですが
好きなものはどうしようもありません。
ｸﾚｰ34点の見せ方も、青い壁で文字通り宇宙に浮かぶ星たちのようでよかった。
＊＊＊＊＊
記念講演会を聴きました。
ﾍﾞﾙｸｸﾞﾘｰｭﾝ美術館におけるﾋﾟｶｿ作品の90年
同美術館統括責任者 ｶﾞﾌﾞﾘｴﾙ・ﾓﾝﾄｩｱ氏
同美術館にあるﾋﾟｶｿは1897
〜1972の作品というところからきたﾀｲﾄﾙです。
画像を映しながらの講演では今回来ていない作品も見せて下さいました。
最初にﾍﾞﾙｸｸﾞﾘｰｭﾝの自伝からﾋﾟｶｿに初めて会ったｴﾋﾟｿｰﾄﾞを朗読。
紹介したのはﾀﾞﾀﾞの創始者ﾂｧﾗだったのですね。
ﾊﾟﾘに出たばかりのﾋﾟｶｿが描いたｶﾘｶﾁｭｱ。
あるものには自身がｽｹｯﾁﾌﾞｯｸを抱えて登場し、
あるものにはｱﾎﾟﾘﾈｰﾙが証券取引所前で犬の散歩をしており
「最近見かけないけど死んだの?」なんて書かれています。
青の時代の《ｶﾌｪｺｰﾅｰ》。
背中を向けた2人。
ﾒﾗﾝｺﾘｯｸで悲しげな青の時代作品群と風刺的なｶﾘｶﾁｭｱが同じ頃に描かれていました。
これがﾋﾟｶｿの同時性とよばれます。
2方向性は古典主義に戻った大戦後時代の、ｼｭｰﾙﾚｱﾘｽﾑとｱﾝﾃｨｰｸが同居する作品にも見られます。
ﾊﾟﾘ占領下の閉塞感に満ちた大作《横たわる裸婦》は
最初のｺﾚｸｼｮﾝ《眠る男》と制作年が同じ1942です。
受ける印象は全く違う。
作風の変化には大きな触れ幅があるものなのでしょう。
晩年は古典作品を自らのｽﾀｲﾙで再構築した作品が登場します。
ﾄﾞﾗｸﾛﾜのｱﾙｼﾞｪの女
ｱﾝｸﾞﾙのﾄﾙｺ風呂 等々…
大掴みでも様々な顔を見せるﾋﾟｶｿの作品は発表当時には様々な評価を受けてきましたが
今や20世紀美術にもっとも影響を与えた人物として位置付けられていることはいうまでもありません。
講演後にもﾋﾟｶｿの影響について質問が出ていました。
既存のｱｰﾄを打ち破りたいという精神面があること、
そして具体的には、既存のものを「見立て」で使う。
例として、彫刻《鶴》の足がﾌｫｰｸであることを挙げられ
間接的にﾃﾞｭｼｬﾝのﾚﾃﾞｨﾒｲﾄﾞにも繋がるということでした。
5月21日まで。
https:/
＊＊＊＊＊
B1のｺﾚｸｼｮﾝ展示はﾒﾙ・ﾎﾞｯｸﾅｰ。
石を並べる作品たち。
これって具体的な指示は画像でされているのか?…どうやって展示の度に再現するのでしょうか。
ﾋﾟｶｿとその時代
ﾍﾞﾙﾘﾝ国立ﾍﾞﾙｸｸﾞﾘｭｰﾝ美術館展
@国立国際美術館
ﾊﾟﾘで画廊を経営していたﾊｲﾝﾂ・ﾍﾞﾙｸｸﾞﾘｰｭﾝが個人ｺﾚｸｼｮﾝを公開したﾍﾞﾙﾘﾝの美術館。
1996年開業、と新しいため、訪れたことのある人も少なく、日本初公開作品も76点/97点 (展覧会自体には日本の国立美術館の作品11点も加えて108点が出ています)、
その殆どが撮影可能！という嬉しい展覧会です。
会場に入るとまず、画廊時代のｶﾀﾛｸﾞがずらり14点。
「ｱﾝﾘ・ﾏﾃｨｽ切り紙絵」「ｸﾚｰの宇宙」「ﾋﾟｶｿ90歳記念90の版画」…
そして最初に購入したﾋﾟｶｿ、《眠る男》。
【展覧会構成】
序 ﾍﾞﾙｸｸﾞﾘｭｰﾝと芸術家たち
�� ｾｻﾞﾝﾇ〜近代芸術家たちの師
�� ﾋﾟｶｿとﾌﾞﾗｯｸ〜新しい造形言語の創造
�� 両大戦間のﾋﾟｶｿ〜古典主義とその破壊
�� 両大戦間のﾋﾟｶｿ〜女性のｲﾒｰｼﾞ
�� ｸﾚｰの宇宙
�� ﾏﾃｨｽ 安息と活力
�� 空間の中の人物像〜第二次大戦後のﾋﾟｶｿ、ﾏﾃｨｽ、ｼﾞｬｺﾒｯﾃｨ
青の時代/ばら色の時代の作品こそ1点ずつしかありませんでしたが
《ｱｳﾞｨﾆﾖﾝの娘たち》のためのﾃﾞｯｻﾝや
古典主義でありながらぼってりと大きな手足の《座って足を拭く裸婦》
などﾊﾞﾗｴﾃｨ豊かな作品のｵﾝﾊﾟﾚｰﾄﾞに
写真を撮るのも忘れて見入ってしまいました。
中でも印象的だったものいくつか。
◆ｱﾌﾞｻﾝﾄのｸﾞﾗｽ
三次元のｷｭﾋﾞｽﾑ作品ですねこれは。
◆窓辺の静物 ｻﾝ=ﾗﾌｧｴﾙ
室内からﾌﾗﾝｽ窓を通して外の景色を臨む作品はﾏﾃｨｽにもありましたが(《室内、ｴﾄﾙﾀ》)
ﾃｰﾌﾞﾙの上のｷﾞﾀｰや梨の籠が分解再構築され、1つの画面で具象とｷｭﾋﾞｽﾑが同居しているのがﾋﾟｶｿの面目躍如。
それでいて夢見るような色彩の美しい作品でした。
◆本を読む女
理屈からいえばその次の《闘牛士と裸婦》の方がﾍﾞﾗｽｹｽ+ﾚﾝﾌﾞﾗﾝﾄ+ｷｭﾋﾞｽﾑ+青の時代 とあらゆる要素が見られて面白いのですが
好きなものはどうしようもありません。
ｸﾚｰ34点の見せ方も、青い壁で文字通り宇宙に浮かぶ星たちのようでよかった。
＊＊＊＊＊
記念講演会を聴きました。
ﾍﾞﾙｸｸﾞﾘｰｭﾝ美術館におけるﾋﾟｶｿ作品の90年
同美術館統括責任者 ｶﾞﾌﾞﾘｴﾙ・ﾓﾝﾄｩｱ氏
同美術館にあるﾋﾟｶｿは1897
〜1972の作品というところからきたﾀｲﾄﾙです。
画像を映しながらの講演では今回来ていない作品も見せて下さいました。
最初にﾍﾞﾙｸｸﾞﾘｰｭﾝの自伝からﾋﾟｶｿに初めて会ったｴﾋﾟｿｰﾄﾞを朗読。
紹介したのはﾀﾞﾀﾞの創始者ﾂｧﾗだったのですね。
ﾊﾟﾘに出たばかりのﾋﾟｶｿが描いたｶﾘｶﾁｭｱ。
あるものには自身がｽｹｯﾁﾌﾞｯｸを抱えて登場し、
あるものにはｱﾎﾟﾘﾈｰﾙが証券取引所前で犬の散歩をしており
「最近見かけないけど死んだの?」なんて書かれています。
青の時代の《ｶﾌｪｺｰﾅｰ》。
背中を向けた2人。
ﾒﾗﾝｺﾘｯｸで悲しげな青の時代作品群と風刺的なｶﾘｶﾁｭｱが同じ頃に描かれていました。
これがﾋﾟｶｿの同時性とよばれます。
2方向性は古典主義に戻った大戦後時代の、ｼｭｰﾙﾚｱﾘｽﾑとｱﾝﾃｨｰｸが同居する作品にも見られます。
ﾊﾟﾘ占領下の閉塞感に満ちた大作《横たわる裸婦》は
最初のｺﾚｸｼｮﾝ《眠る男》と制作年が同じ1942です。
受ける印象は全く違う。
作風の変化には大きな触れ幅があるものなのでしょう。
晩年は古典作品を自らのｽﾀｲﾙで再構築した作品が登場します。
ﾄﾞﾗｸﾛﾜのｱﾙｼﾞｪの女
ｱﾝｸﾞﾙのﾄﾙｺ風呂 等々…
大掴みでも様々な顔を見せるﾋﾟｶｿの作品は発表当時には様々な評価を受けてきましたが
今や20世紀美術にもっとも影響を与えた人物として位置付けられていることはいうまでもありません。
講演後にもﾋﾟｶｿの影響について質問が出ていました。
既存のｱｰﾄを打ち破りたいという精神面があること、
そして具体的には、既存のものを「見立て」で使う。
例として、彫刻《鶴》の足がﾌｫｰｸであることを挙げられ
間接的にﾃﾞｭｼｬﾝのﾚﾃﾞｨﾒｲﾄﾞにも繋がるということでした。
5月21日まで。
https:/
＊＊＊＊＊
B1のｺﾚｸｼｮﾝ展示はﾒﾙ・ﾎﾞｯｸﾅｰ。
石を並べる作品たち。
これって具体的な指示は画像でされているのか?…どうやって展示の度に再現するのでしょうか。
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