月の満ち欠け

青森で母親と二人で暮らす冴えない中年男のところに東京からイケメン男が訪ねてくる。イケメン男は中年男の亡き娘に関する支離滅裂なことを語りだし、怒った中年男はイケメン男を追い払う。中年男は愛する妻と娘を事故で亡くした過去があり、イケメン男も愛する女を事故で亡くした過去がある。二人の男の過去を見せることによって一人の女の思いが時代を貫いていたことが示唆される。
今年５本目の公開となる廣木隆一監督の新作。撮り過ぎだって。生き急いでいるのかな。
輪廻転生をテーマにしたファンタジーで、三島由紀夫の「豊穣の海」を少しだけ彷彿させる。全然違う話だけど。
予告を見た時、今はもうないＢＩＧＢＯＸが映っている高田馬場の駅前の映像に驚いたのだが、オープンセットに合成しているのだった。あんなに人のいない高田馬場駅前って見たことないし。
家族想いのサラリーマンと恋する大学生の２つのストーリーが絡まり合って収斂していくさまは見ていてワクワクするものの、過去を変えられるわけでもないのでハッピーエンドになり得ないのが悲しい。
エンディングテーマ曲はどこの誰とも知らない歌手の歌じゃなく、本編で途切れ途切れに聞かせていたジョン・レノンかオノ・ヨーコの歌を丸々聞かせてくれよ。