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2022年11月03日23:52

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大竹伸朗

最新作をﾎﾟｽﾀｰのﾒｲﾝﾋﾞｼﾞｭｱﾙにもってきていたのね。
目下居住する宇和島のﾈｵﾝｻｲﾝを美術館外壁に掲げて建物ごとｼﾞｬｯｸしてるし。

大竹伸朗
@東京国立近代美術館

『見えない音、聞こえない絵』(たくま文庫)を読んで臨みました。
その一節が引かれている展示室も最後にあって嬉しい驚き。

祝日というせいもあったのでしょうが
開館前に50人超が列を作っていました。人気なのですね。

作品はほぼ全て撮影可能(動画・ﾌﾗｯｼｭ禁止)。

作品ﾘｽﾄはｶﾀﾛｸﾞﾎﾟｹｯﾄのｱﾌﾟﾘからﾀﾞｳﾝﾛｰﾄﾞする方式。
なので、作品横には「番号」しか書いてありません。
鑑賞するのに特に不都合はないのですが、
順番に並んでいるわけではありませんでしたし
お気に入りの作品を撮影したあとで(これなんだっけ)になりそうなので、
番号も画面に入るように撮り、後でﾘｽﾄをﾁｪｯｸできるようにしました。

半世紀にわたる創作活動を網羅する500点、私のような初心者にはうってつけの機会です。

これまで

・自由の女神のある元歯医者(直島家ﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄ)や "I

湯(あいらぶゆ)"
・女木島の女根(めこん)

くらいしか見ていなかったｱｰﾃｨｽﾄの足跡がよくわかりました。

以下、展示構成に沿って作品を紹介。
これまでに制作された《ｽｸﾗｯﾌﾟﾌﾞｯｸ》も全体を通して展示されています。

◇自/他
初期作品としては、9歳のときにつくったｺﾗｰｼﾞｭ《黒・紫電改》から
武蔵美を休学して行った北海道でのｽﾅｯﾌﾟ写真の数々まで。

◇記憶
厚く塗り重ねられた絵の具の《ｼﾞｪﾉｳﾞｧⅠ》
様々な素材が貼り込められたｵｰﾙｵｰｳﾞｧｰ的な《時憶30》等

◇時間
大竹は色々な素材に貯蔵された時間を拾い集め、貼り、重ねていきます。
(展覧会・章ｷｬﾌﾟｼｮﾝより)
そのように莫大な時が収められた作品もあれば
30分野で即興的に描かれた作品《赤いﾍﾋﾞ》もあります。
写真は手前が回転ﾃｰﾌﾞﾙのある《時憶/ﾌｨｰﾄﾞﾊﾞｯｸ》
奥が《赤いﾍﾋﾞ》。

◇移行
北海道、ﾛﾝﾄﾞﾝ、ﾆｭｰﾖｰｸ、ﾅｲﾛﾋﾞ、その他多数のﾛｰｶﾙ地域へと実際に移動した体験
や素材そのものの移動が作品の制作方法にまでかかわっています。
《ﾆｭｰｼｬﾈﾙ》のﾄﾞｱとか。

◇夢/網膜
作者はずっと夢日記をつけています。
それをもとにした作品(宇和島駅)や露光失敗写真に素材のしてのｲﾝｽﾋﾟﾚｰｼｮﾝを得た大型ｷｬﾝﾊﾞｽ作品等。

◇層
下地が見えないほど素材が重なっていっても、あったことの気配が大事だという大竹。
《家系図》はｷﾘｽﾄ教の祭壇のような作品でした。

◇音
大竹はﾛﾝﾄﾞﾝで大きな影響を受けたｱｰﾃｨｽﾄ、ﾗｯｾﾙ・ﾐﾙｽﾞに誘われてﾛｯｸｺﾝｻｰﾄとのｺﾗﾎﾞを行います。
そのﾊﾞﾝﾄﾞが奏じたのは「音楽」でなく「音」だったといいます。

そしてこの展覧会の最後はｽﾃｰｼﾞを作品化した
《ﾀﾞﾌﾞ平&ﾆｭｰｼｬﾈﾙ》と《背表紙にｷﾞﾀｰを付けたｽｸﾗｯﾌﾟﾌﾞｯｸ》で終わっていました。

(これは "ｽｸﾗｯﾌﾟﾌﾞｯｸ"というものか?という
ところですが、大竹のｽｸﾗｯﾌﾟﾌﾞｯｸとしては大人しい方です。

ｸﾞｯｽﾞで出色なのはやはり図録でしょう。
というか、ﾋﾞﾆｰﾙ手提げにあれこれ詰め合わされたもの、図録というものなのでしょうか。
少年時代に心踊らされた付録や小冊子が差し込まれて膨らんだ雑誌のｲﾒｰｼﾞそのまま、ﾌｧﾝへのﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄのようなものですね。
風前の灯である紙の印刷物、ｲﾝｸの香りもたかく、おっしゃるとおり印刷物でなければできないものになっているようです。

2023年2月5日まで。
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/shinro-ohtake/

＊＊＊＊＊

常設展示では新しく収蔵された
・竹内栖鳳《日稼》

4階のｱﾒﾘｶのｲﾒｰｼﾞのｺｰﾅｰに複数作品が出ていた
國吉康雄をﾁｪｯｸしてきました。

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