生きていたのかあれは。
名和晃平 生成する表皮
@十和田市現代美術館
彫刻家 名和といえば動物の剥製を透明な球体で覆ったシリーズの「PixCell」で有名。
十和田市現美では いま PixCell-deer の寄託と併せて多様なシリーズを一望できるのです。
会場に入ってまず
・Biomatrix (W)
が ばーん。
静かな展示室の床にまっすぐに伸びる溝。
近づくとそこには光りながら文字通り息づくようなcellたち。
気泡がたちのぼり、弾けて波紋を残しながら消えてゆく姿を無限に繰り返す。
何かしら音が聞こえていたように思うのは気のせいだったでしょうか。
次の展示はドローイング。
実家の畳の上で描かれ、最近発見された20年以上前の26点。繊細です。
次は一気に最新作
・White Code
美術館では初のお目見え。
キャンバスをゆっくり動かしながら濃度のある絵の具を垂らしてゆく。
ストロークがないのが李禹煥と違うところか。
続いて新しくオープンした市民交流センターへ。
こちらの展示は10月1日に始まったばかりです。
美術館から信号2つほど離れた建物は真っ白で中庭にはフラットな地面から噴水が吹き上げています。
大ギャラリー。
壁には Array - Black シリーズの
・Dot
・Line
これ、写真を撮ると半分も良さが伝わりません。
現物を見る価値あり。
中央には文字通りビロードのような
・Velvet や
絵の具でできているゆえ割れが生じてゆくという
・Black Field
タイトル通りものの「表面」にこだわる作品たちでした。
11月20日まで。
https://towadaartcenter.com/exhibitions/nawa-kohei/
*****
そして興味深いサテライト展示もありました。
青柳菜摘《亡船記》
東アジアの航海の女神 女馬祖をはじめ海と船をめぐるイメージを映像やテキスト、インスタレーションで表現し、街のあちこちで展示していました。
夜間営業の店舗や定休日のため3/6 しかみられなかったのですが、
アジアのとぐろを巻いた長大な線香に吊るされた画面に流れる伝説のようなテキストをみたとき、これは好きなやつ…!
と確信しました。
機会があれば注目していきたい作家です。
こちらは12月18日まで。
https://towadaartcenter.com/exhibitions/space_aoyagi/
ログインしてコメントを確認・投稿する