若冲の動植綵絵は後期展示、これが始まると混むだろうからと、それを避けて前期、しかも平日行ったのに、あれ?結構混んでいる?いつもガラガラのロッカーの中断から上が全部埋まってた。この日午後に見た、都美「芸術×力 ボストン美術館展」の方が遥かに空いていたのには予想外。三の丸尚蔵館蔵つまりは皇室のお宝あるいは国宝と冠されたものの方が人気ということかな。
都美では《平治物語絵巻》《吉備大臣入唐絵巻》を堪能、こちらでは《蒙古襲来絵詞》《絵師草紙》《春日権現験記絵》《をくり》《酒伝童子絵巻》と絵巻物づくしの日となり、面白かった。
ただ、こちらはどれも一部(一巻)の、しかも前期後期の展示替えで、必ずしもその物語のクライマックスが見られるわけではなく、やや残念。しかも長い覗き展示ケースの中央あたりにやっと「あらすじ」の解説があり、見づらい。
と、文句は言うけれど、過去見たことがあるものも含めて、お宝ばかりであることにはちがいない。展示点数が多くないのも私の体力には合っている。
https://museum.geidai.ac.jp/exhibit/2022/08/bi-no-tamatebako.html
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/tamatebako2022/
本展は、宮内庁三の丸尚蔵館が収蔵する皇室の珠玉の名品に、東京藝術大学のコレクションを加えた82件の多種多様な作品を通じて、「美の玉手箱」をひも解き、日本美術の豊かな世界をご覧いただくものです。代々日本の文化の中心に位置して美術を保護、奨励してきた皇室に伝わる多くの優品は、特筆すべき重要な存在です。
また、本展が開催される東京藝術大学は、前身である東京美術学校で岡倉天心が1890年に初めて体系的に日本美術史の講義を行った場所でもあり、以降、芸術の教育・研究機関として重要な役割を担います。本展は、このような歴史的背景をもつ両者共同ならではのアプローチで、貴重な美術品の数々の魅力をわかりやすくご紹介します。
序章 美の玉手箱を開けましょう
1章 文字から始まる日本の美
2章 人と物語の共演
3章 生き物わくわく
4章 風景に心を寄せる
伝狩野永徳《源氏物語図屏風》※画像は左隻のみ
源氏物語図はけっこう小さく描かれているものが多く、単眼鏡で見ないとならないが、こちらの屏風は絵が大きめ。左隻全体が「若紫」で、右隻に「蜻蛉」「常夏」。「常夏」ではまな板の上に鮎、その目の前でご飯を食べている。どう調理するのかな。
国宝《蒙古襲来絵詞》鎌倉時代
元寇最初の文永の役、竹崎季長が敵の反撃を喰らいながら見事倒すシーン。これは迫力あった。馬の腹2か所から血がどばーっとでても怯まず、援護のは鉄砲玉が炸裂?!
《絵師草紙》鎌倉時代
貧しい宮廷絵師に嬉しい知らせがやってきて、大喜びで大宴会、しかしそれはぬか喜びだったと落胆する物語。(にしても、宮廷絵師にも貧乏な人がいたのか)
前期展示は、宮廷からの使者が良い知らせを伝えにきたところ。奥の部屋から、ばあちゃんはじめみんな嬉しそうに覗き込んでいる、使者が告げる言葉を聞いている。
国宝 高階隆兼《春日権現験記絵 巻四》鎌倉時代 延慶2年(1309年)
以前東博で見た「春日大社」展で見たのは、確か模本でなく原本?どのシーンだったか忘れているし(汗)
岩佐又兵衛《をくり(小栗判官絵巻)巻一》江戸時代
蒔絵を施した重箱や調度、灯籠の彫刻、着物の柄、とにかく細かい細かい。
《酒伝童子絵巻 巻二》江戸時代
金地に描かれている豪華本。鬼の屋敷の塀が、きれいな緑青色で模様が入っている、うむ、贅沢だ。
右隻:狩野永徳 左隻:狩野常信《唐獅子図屏風》
少し高いところの展示ケースに入っているので、「桃山展」の時よりさらに大きく見えた。
山口素絢《朝顔狗子図》江戸時代 寛政4年(1792)
円山応挙の《朝顔狗子図杉戸》は確か今東博で展示しているはず。みたいな。
長沢蘆雪《綿花猫図》江戸時代
綿花は夏の花。にしても、変な猫…。
《東都時名画帖》江戸時代 文化14年(1817)頃
数人の絵師の絵を集めた画帖に、増山雪斎の名前があった。野薔薇に翡翠の画と木瓜に雀の画。「芸術×力 ボストン美術館展」のトリ《孔雀図》の作者だ。
酒井抱一《花鳥十二ヶ月》江戸時代 文政6年(1823)
花鳥十二ヶ月は、皆が複数描いている画題なので、頭がゴチャゴチャ。これは見たことがあったっけ?今回は10月の柿に小禽(メジロ?が三羽くっつく)図が一番好きかな。
葛飾北斎《西瓜図》江戸時代 天保10年(1839)
すごく独創的な画で印象に残っている。和紙に透けた西瓜の断面も斜めに置かれた包丁も桂剥きにされた西瓜の皮も、しなる縄も、また見入ってしまう。
工芸作品もいくつもすごいのがあって超絶技巧にため息でるが、その中であえてこれを紹介。
《羽箒と子犬》明治〜大正時代
象牙彫刻では旭玉山《官女置物》↓の十二単の表現が素晴らしかったが、作者不明のこの子犬は応挙風のやんちゃ、羽箒の紐を引っ張る口元に目が行きがちだが、後ろ足で踏んづけられた羽根のよじれが見事。
海北友松の屏風絵《浜松図屏風》《綱干図屏風》も大胆なデザインでいい。
で、最後目に止まったのがこちら。
初代飯塚桃葉《宇治川蛍蒔絵料紙箱・硯箱》江戸時代 安永4年(1775)
※画像は料紙箱のみ
宇治橋、朝日山、柴舟で宇治を表している。「歌枕」だね。この黒いのは何?飛んでいる蛍だ。もとは輝いていたのが、銀だから黒ずんでしまったのだろう。お尻が光っているのとそうでないのがいる、その部分は螺鈿かしら。料紙箱、硯箱合わせて?380匹の蛍だって…ちょっと多すぎるんじゃない?うう、気持ち悪いかも、鳥肌立ってきた。
9月25日まで。途中展示替え、場面替えあり。
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