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2022年07月09日18:18

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テオ・ヤンセン

オランダのリゾート・スフェベニンゲンの浜辺からやって来たストランドビースト。

テオ・ヤンセン展
@大阪南港ATCギャラリー
フォト



オランダのキネティックアーティスト&物理学者。
日本では3年ぶり、7回目の展覧会です。
しかしそこはレボリューションがコンセプトのテオのこと、今回も新作ビーストがおめみえです。
輸送費がコロナ前の3倍になってしまったそう。

ではテオの世界へ。

彼の作り出した"いきもの"は
たんぱく質の代わりに全てプラスチックチューブでできており
風を"食べて"動きます。
名前にはすべて アニマル(動物)+マーレ(海) を意味する"アニマリス"がつき、砂浜でしか生きることはできません(という設定)。

もっともらしい(誉めてます)進化の系譜もあります。

前グルトン期
グルトン期(テープ接合で強度不足)
コルダ期(結束バンドによる接合。ホーリーナンバーの取得)
カリダム期(ヒートガンで熱加工)
タピデューム期(加工温度下げる)
リグラタム期(木材の時代)
ヴァボォラム期(蒸気の時代)
セレブラム期(脳の時代)

…というようにそれは素材と作者の苦心の歴史。
ビースト的には風を受ける構造から溜める(ペットボトルへ!)構造への進化など。

そもそもビーストにはアイデアスケッチだけで設計図がなく
冬あたためたアイデアを初夏から浜辺でトライアウトを繰り返し、
彼らは秋に"死ぬ"のだそうで。

そのためホワイトキューブでの展示は再生(リ・アニメーション)と呼ばれます。


会場では押して動かせる体験コーナーあり、
10:15から1時間おきに動かして見せてくれる作品あり。
全てが撮影可能です。

1番好きだったのは
◆アニマリス・ウミナミ(2017)
フォト


作品の横のビデオ映像で、
体を波打たせて勢いよく進む姿に驚きました。
ショップにあったミニ模型、作ってみたかったな。
ちゃんと団扇であおぐと走るのですよ。

初日とあって、テオ・ヤンセンさんご本人が会場におみえになりました。

これは杭を打つ
◆アニマリス・オムニア・セグンダ(2018)の説明シーン。
フォト


何故杭を?と思ったら風の抵抗で倒れないよう、杭で頭を固定して身体を風上に向けるため、だそうです。ナルホド

午後にはビーストの動く仕組みや、どのようにして水を感知するか、等についての講演会も。ムツカシイ

質疑応答。

問い。
進化してゆくということですが最終形態のイメージは?
答。
最終的には人の手を借りずに自生できる機能をもってほしい。
(今でも水を感知して波をよけます)

問い。
チューブが白色だけなのは何故ですか
答。
30円/mと安かったし太さのバリエーションもあった。
地震の少ない欧州ではもともと地中埋設用。
オランダ名産のチーズの色でもある。
灰色では作品のコンセプトに合わないので目下50kmのチューブを買いためている。
1作品に使うのは約2km。

問い。
というか、ここで自作のビーストを三重から持ってきた青年登場。
電気で動く"手のりロボ"。
回転する動きをテオさんに誉められていました。
こうして世界中のファンが色々なビーストを作るのもテオの夢なのだそう。
そのために「ホーリーナンバー」で特許をとらずオープンにしたのですからね。
でもキャタピラシステムにNASAの火星探査チームが興味を示している由、それにはプロデューサーは権利を主張してほしいようでした。

9月25日まで。
https://www.mbs.jp/theojansen-osaka/#visit

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