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2022年07月04日21:39

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傷物を買ったらどうする?

 7月2日土曜日の朝日朝刊読書欄下に新潮社の新刊案内(広告)が載っていて、沢木耕太郎のエッセイ集『飛び立つ季節』が出たことを知った。『旅のつばくろ』第2弾である。前著は沢木初めての国内旅エッセイ集で、いずれのエッセイもインタレストに滿ちたものだった。なので翌日の日曜日、久しぶりのmixi日記を書いた直後、駅前の書店で買い求め、帰宅するなり一気読みしてしまった。
 コロナ禍で沢木も渡航がかなわぬ状況となり、專ら国内の小さな旅を繰り返している。海外であれ国内であれ、その人が持つ旅の姿勢や指向性というのは変わらない。沢木信者の私ゆえ、本書でも共感する箇所が多々あって、読み進むに従って残りページが減っていくのが悲しいくらいだった。沢木といえども人の子で、高校生で初めての長旅(東北一周12日間)を思い出して書き起こす、というノスタルジックなエッセイが数本掲載されていた。私も高校2年の夏休み直前、短縮授業になった頃合いを見計らって沢木と寸々違わぬような旅に出たことがある。日数はほぼ同じで、(私の場合は)高松→京都→小浜→金沢→長野を回って高松に帰って行くという自分でデザインした一般周遊の旅だった。沢木と同様、周遊券を買ったら残りは1万円ちょっとという貧乏旅で、ユースホステル以外泊まることができなかったし、昼ごはんはおにぎり1個程度しか金銭的余裕がなかった。沢木さんのような大先輩に自分をなぞらえるのは不謹慎の誹りのようなものさえ感じるけれど、旅スタイルが本当に似ている。沢木はいまだガラケー、というくらい、旅先でのデジタルな情報収集をしない人で、常に自分の直感を信じて行動する。私は事前にネットでいくばくかの情報を得ているが、家を出たらほぼiPhoneは見ない。ガイド本やネット情報をなぞっていくような旅は現代に於いては理に叶っている。が、沢木も、そして私も、旅というのは常に予測不可能であって、自分でつくっていくものだという「固定観念」があるように思う。

 本日月曜日。朝イチ、iMac用の外付けSSDをクロネコヤマトさんが届けてくれた。500ギガの外付けSSDにMacOSをインストールし、こちらを本体として、iMacの1テラHDDは作成書類とか音楽データとかを格納する、という世間とは反対のシステムを構築しようと考えたのだった。
 時間がかかりそう……。
 午前11時、隣町の大型スーパーへ原付で行く。4千円弱の食料品を買ってレジで精算し、持参のエコバッグに詰め始めた。1キロ袋のパスタをバッグに入れようとしたら、数本がこぼれてフロアに落ちた。一瞬、目の錯覚かと思ったが、パスタの袋を点検したら、破れていた。
 レジに行って交換してもらおう、と身体が動きかけたが、次に思い浮かんだのは食品廃棄問題だった。パスタは交換してくれるだろうが、いま手にしているパスタは捨てられるはずだ。数本が床に落ちたけれど、パスタなんて7〜8分湯がいて食べる食材だから、衛生面でも問題はない。
 これには伏線があった。今朝の朝日朝刊「声」欄に掲載されていた2本の投稿である。一つは「安いバナナ、私は買いません」、もう一つは「作り手の労働に見合う価格を」。前者は100円で売られているフィリンピンのバナナについて、後者もフィリピンのバナナや500円以下で売られているお弁当についてで、いずれも「持続可能性」という視点が見え隠れしていて、私としては愚にも付かない参院選の党首発言とか携帯電話のシステム障害よりもよほど真剣に受け止めたのだった。
 結局、レジには行かず、そのパスタは持ち帰った。昨日より涼しかったこともあって、バイクで走っているととても清々しい気分を味わえた。

 帰宅後、延々、外付けSSDシステムの構築をやっている。
 かれこれ30年、鍛え続けたATOKを新システムに引き継ぐとか、それなりの新味を出したシステムにもしたいとか、理想的な環境のハードルを高く設定しているものだから、まだ2日くらいはかかりそうだ。
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