犬王

室町時代に実在したという能楽師の道阿弥こと犬王の生き様と半生をケレン味たっぷりにロックのリズムに乗せて見せる湯浅政明監督のアニメーション。
むむ、これは凄い。異形の人として登場した少年が芸を極めることによってまともな身体になっていく。「どろろ」かよ、と思いつつ微妙に違っている。
もう一人の主人公の盲目の琵琶法師と共に世の中を席捲していく。
大衆が熱狂し、リズムを取りながらパフォーマンスに酔いしれる。室町時代とロックは何の違和感もなく溶け込む。演じられるパフォーマンスはシルクドソレイユのよう。
犬王の記録はほとんど残ってないらしいので自由奔放に描けるけど本質はこういうことだったのかもしれない。
本当にこんな感じだったのかどうかは置いておいて、見応えたっぷりの異質アニメーションだった。さすがは湯浅政明監督。