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2022年05月29日08:38

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鏑木清方

ようやく関西に巡回してきました。

没後50年
鏑木清方展
@京都国立近代美術館

フォト



東京展のサブタイトルは
"なんでもない一瞬がなによりも美しい"
ですが
京都展は
"45年ぶりの京都です"。

京都展のみの作品は12。
そのうち見られたのは
・深沙大王(鎌倉清方記念館)
・水汲(同)
・築地明石町下絵(同)
・新富町下絵(同)
・慶喜恭順(同)

見られなかった作品にも細かい展示替えがありますので、全てを見ようとすれば
6/21〜7/10 に再訪、ということになります。
まあ会期後半は混みますのでどうですか。

会場でご本人のインタビュー映像を見ますと、ああ近年の作家なのだなと改めて感じます。
亡くなられたのは1972年ですからね。

作品はどれも時代をそして郷愁を感じさせるものばかりです。
私たちは何かを失ってしまったのでしょうか。

それは作品の多数がはかなげに見えたせいかもしれません。

例えば
◆水汲(1921)
姉さんかぶり、七分丈の野良着を着て素足に草履の横向きの女性が水汲みの途中で足をとめています。
振り分けの木桶
勢いのある道端の雑草
図録では道と同色の褐色に塗られた背景が今時の暑い空気を感じさせるのですが
実際の作品は白く輝きのなかに溶けてゆくようなのです。

◆深沙大王(1904)
荒野をゆく裸足の男女。帯刀した男の髪はざんばらで絣の着流し。すがりつく女は格子の着物に袖からわずかにのぞく赤。
画面上部には武者姿の狐や猿が馬を引きますが、図録でくっきりとしているその姿は実作ではぼんやり霞みます。

清方が背景に描くものは、生あるものもそうでないものも多くはあるかなしかに霞んでおり
それは実際の作品を見てよかったと思わせるものでした。

7月10日まで。
https://kiyokata2022.jp/
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