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2022年04月19日09:00

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4/17 大英博物館 北斎ー国内の肉筆画の名品とともにー@サントリー美術館

北斎!また北斎かぁ〜!
昨年1年だけでも北斎を主とした展覧会は少なくとも4つ行っている。よくもまあ北斎ばかりと食傷気味ではあったが「大英博物館」を冠されるとヨワい。ところが、行ってみて気づいたが、全てが大英博物館蔵ではなく、まして、肉筆画はほとんどが国内のもの。ありゃ、副題にそう書いてある。
それでもやっぱり、北斎は面白く、見飽きないし、初めてみる肉筆画にも心躍る。
大英博物館の六人の北斎コレクターについての紹介は興味薄だったけれど、概ね満足の内容だった。
ちなみに(興味薄とは言いながら)、それぞれのコレクターの言葉が紹介されていたが、うち一人は「ターナーは風景のデザイナーとしては同時代の北斎に及ばない」と述べていて、自国の大巨匠の名を挙げてまで北斎を絶賛とは、すごい熱の入れようだと感じ入る。

予約は不要。開催2日目の日曜日、通常の入り。肉筆画《為朝図》と大判錦絵《神奈川沖浪裏》の2点のみ撮影可。前後期の入れ替えは4点のみ。

https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2022_2/index.html

江戸時代後期を代表する浮世絵師・葛飾北斎(1760〜1849)は、世界で最も著名な日本の芸術家の一人です。《冨嶽三十六景》や『北斎漫画』など、一度見たら忘れられないインパクトを持つ作品の数々は、国内外で高い人気を誇っています。
北斎と海外との関係については、モネ、ドガ、ゴッホら印象派およびポスト印象派の画家たちによる北斎への傾倒や、フランスを中心としたジャポニスムへの影響が有名ですが、イギリスにも多くのコレクターや研究者がおり、その愛好の歴史は19世紀まで遡ることができます。なかでも大英博物館には、複数のコレクターから入手した北斎の優品が多数収蔵されており、そのコレクションの質は世界でもトップクラスです。本展では、この大英博物館が所蔵する北斎作品を中心に、国内の肉筆画の名品とともに、北斎の画業の変遷を追います。約70年におよぶ北斎の作画活動のなかでも、とくに還暦を迎えた60歳から、90歳で亡くなるまでの30年間に焦点を当て、数多くの代表作が生み出されていく様子をご紹介します。また、大英博物館に北斎作品を納めたコレクターたちにも注目し、彼らの日本美術愛好の様相を浮き彫りにします。

第1章 画壇への登場から還暦
第2章 富士と大波
第3章 目に見える世界
第4章 想像の世界
第5章 北斎の周辺
第6章 神の領域ー肉筆画の名品ー

では、気に入った作品を、これまでと被らないようにご紹介

《鶏図》画像なし
50代の小品。扇面に水気をたっぷり含んだ朱と墨で、雄鶏とヒヨコをささっと描いただけだがこれが痺れる。北斎って文句なく上手い。

《為朝図》撮影可
大英博物館蔵の肉筆画。撮影可だったので、細部拡大図、ご覧ください。見事な描き込み。
島の住民三人で引いても為朝の片腕に敵わない?弓の弦すら二人がかりで引けないとは。力を出し尽くしているのが顔や体が紅潮しているのでわかる。特に後ろから加勢している人は苦しそう。
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《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》撮影可フォト
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『冨嶽三十六景』は18点
こちらは『富嶽百景』二編から。大波に驚いて千鳥が飛び立つ。
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千葉の展覧会で、波を主人公にした絵を描いたのは北斎が初めて、と知る。

『諸國瀧廻り』は4点
《諸國瀧廻り 東都葵ヶ岡の滝》
ここはもともと堰であって滝ではないが、北斎が滝と描いたことによって江戸名所となったらしい。北斎の観光影響力、フーテンの寅さん並みに大。
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『諸國名橋奇覧』は6点
《諸國名橋奇覧 三河の八つ橋の古圖》
八つ橋といえば伊勢物語だが、橋に高低差をつけているところが面白い。杜若は咲いていない。
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《地方測量之圖》
制作年判明している中では最後の版画(没前年に刊行)。大方儀、小方儀、野帳、間竿、水縄、假標など役目が書いてあるが、測量方法は多分今とほぼ同じ。
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花鳥画は16点。
《百合》
輪郭描線に肥瘦の抑揚をつける。表情がある。
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《鷽 垂櫻》
背景の濃いプルシアンブルーが綺麗(実物は画像よりもっと濃い)。これは、鷽(うそ)。もう1点は「芍薬 カリアナ」とあり、鳥はカナリアの間違いか。
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《藤 鶺鴒》
アールヌーボー風に丸まった藤の蔓と、セキレイのピンと伸びた尾っぽが好対照。花鳥画で妄想お持ち帰りは、これが欲しい。
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《小野小町》
大英博物館が最初に購入した北斎作品。「をの乃小丁(町)」の文字絵になっているが「小丁」しかわからない。
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『詩哥寫眞鏡』は6点
《詩哥寫眞鏡 李白》
廬山の瀑布を李白が詠むところ。侍童がふたり、李白が崖から落ちないように支えているのがおかしい。縦長を二分した大胆な構図がかっこいい。
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『百人一首うばがゑとき』は、江戸の老婆が百人一首を絵解きするという設定で描かれたシリーズで、これにはハマった。面白い。91図の版下絵を作ったが錦絵は27図刊行なので、版下絵が多く残る。
錦絵11点版下絵4点
《百人一首乳母がゑとき 柿の本人麿》
「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む」
流れに逆らって漁師たちが引き綱をたぐる、焚き火の長い煙の先を目で追うとその先の家の中では待つようなそぶりの女がいる。
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《百人一首姥がゑとき 平兼盛》版下絵
「忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで」
若侍が人相を占ってもらっているところ。人相見は拡大鏡でじっと顔を覗く。お付きの人たちが固唾を飲んで結果を待つ。版下絵は線描だが、肉筆だと思うと目を凝らしてみる。細かい!
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《百物語 こはだ小平二》
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《百物語 笑ひはんにや》
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『百物語』は100点企画されたのに5点しか刊行されていない。もっと沢山出していたら楽しいのに。

最後は肉筆画
《流水に鴨図》
二羽の鴨の描写もさることながら、光にキラキラするさざなみの表現がなんともいえずオシャレ。これは西洋人はびっくりするでしょ。ゆっくりと沈んでいく紅葉と水中でゆらゆら漂う水草もいい。 
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《河骨に鵜図》
首をクッと下げた瞬間の鵜。ツヤツヤの黒い羽の描き方すごい。これは「真体」の描き方。
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《朝顔に鵜図》は「行体」「草体」の描き方で、おかしみがある。
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《若衆図》
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氏家浮世絵コレクションの《若衆図》↓と対ではないかと言われている。
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肉筆画では、他に《鯉亀図》(埼玉県立歴史と民族の博物館)《墨堤三美人図》(福田美術館)《白拍子図》(北斎館)など。

6月12日まで(5月18日から後期展示)


一休みは「不室屋」で
季節限定のいちごあんみつが美味しかった。
しろあんで、蜜は甘酸っぱい苺の蜜。
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