パリへ向かう長距離列車の出発間際、追いかけてきた若い女にバケツの水をかけた初老の男。男は列車の同室の人たちにそこに至るまでの物語を語る。その物語とは、メイドとしてやってきた若い女との愛と裏切りの下世話で興味深い内容で…。
一人の女を二人の女優が演じ分ける奇天烈な演出のルイス・ブニュエル監督遺作。学生の頃に初めて見た時はそういう演出に気が付かず、二人の女を追い回すオッサンの話かと思ったものだ。
二人一人役で声は一人の別の女優が吹き替えているそう。クールな美女の時と情熱的な女の時、と女の二面性ってことか。
今生の別れ、のような立ち振る舞いを演じたのに最後の方ではチャッカリと元の鞘に戻っている。そんな二人にテロが襲いかかる。ブニュエルの映画は最後まで侮れない。
今回のリバイバル上映の映画は全て過去に見たことのあるものだった。見ていない映画の方が多いくらいなので機会があればメキシコ時代の映画も見てみたいものだ。
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