自閉症の息子と二人で暮らす母親。息子はもはや中年で母親も老人に近い。自分が先に逝ったら息子は一人で生活しなければならないと分かっていて近所のグループホームの世話になることに決める。隣に越してきた家族との関係、近隣住民との諍い、などと関わりながら親子は生きていく。
自閉症の息子を塚地武雅、母親を加賀まりこが演じるややこしいけど愛情に満ちた親子のドラマ。塚地武雅の演技が最高。この人はお笑い芸人の中でもずば抜けた演技力のある人。久しぶりに見る加賀まりこは本当の母親のよう。
隣の家族との微妙な関係が楽しい。嫌な父親かと思っていたら人としての正しさを幼い息子に教える正しい大人だった。いい人も嫌な人も演じる渡辺いっけいだからこそ出来た上手なキャスティング。
何がどうなるわけでもなく映画は終わるが、生活とはそういうものだろう。高齢の母親が亡くなって一人になった自閉症の息子はどう生きるのか、というドラマは見てみたいがそれは別の話。この監督でそんなドラマを作ってくれないかな。
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