大判の写真は雄大なアラスカの12ヶ月の自然の息づかいを伝えてくれる。間に挟まれる詩のような、神話のような星野の文章も魅力的だ。自然の中で生きる一員として、全ての生きものが魂を持つとされ、人と動物との距離がまだ近かった古の時代。それは神話の世界や、歳月に風化したトーテムポールなどの中に今でも見出せる。クマやクジラ、ワタリガラスなど、動物と人びとを刻み込んだトーテムポールは静かに自然に帰ろうとしている。 「人々の夢、喜び、悲しみ、怒りを時の流れの中に押し包んだまま、シーンとした浜辺に今なお立ち続けている。」
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