北欧らしき海辺の土地にて、演劇評論家と家族が住んでいるコテージに旧友が訪れて楽しい日々を送っていると突如核戦争が勃発。ラジオで状況を伝えるのだが皆は不安を隠せない。無神論者の演劇評論家は自分の全てを差し出すのでこの世を救って欲しいと神に祈る。翌朝、世界は何も無かったかのように元に戻っているのだが演劇評論家は神との約束を果たすために自分の正気を捧げる。
アンドレイ・タルコフスキーの遺作で公開当時に見ている。浪人することが決まったあたりだったと思う。
その後何度も見る機会はあったのだが何故か見ることが出来ず、実に久しぶりに再見した。
ストーリーはあまり覚えてなかったが画はよく覚えていた。家が燃え尽きるまでをワンカットで見せるシーンは本作の白眉。これは撮り直したシーンだというから恐れ入る。
改めて見ると、なるほどこんな話だったのか。核戦争は本当に起こったのか、神への祈りで世界は救われるのか、など興味深いテーマだが思ったより難解ではなく、ラストの木のところに佇む少年のカットに清冽な感動を感じさせる。
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