カルメン純情す

前作で故郷に錦を飾ろうとしたお人好しストリッパーのカルメンが東京で前衛芸術家に恋をし、似非インテリに利用されたり馬鹿にされたり、それでも健気に生きていく。
日本最初のカラー映画「カルメン故郷に帰る」の主人公のその後の生き様を見せる木下惠介監督作。自作に何かしら新しい試みを用いる木下惠介だが、本作はカメラを真っ直ぐに置かず常に斜めに傾いでる。画面が傾いてないぞ、というシーンもやがてゆっくりと傾いていく。
本作は頭の少し変な人ばかり出てきて、そんな中でアホな主人公は意外とまともな人間。着ぐるみを着てアルバイトをする高峰秀子が何とも可愛い。
この女の生き様はまだまだ続くよ、という感じで映画が終わり、第二部と出てきた。シリーズ化する予定だったのだろうか。