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2021年06月11日17:33

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男ふたりで鎌倉ウォーキング

 午前11時、鎌倉駅の改札口に行く。昨年末日でスポーツ新聞社を早期退職し、今は失業保険で食っている男と待ち合わせ。わざわざ足立区から来るのは遠くてたいへんだろう、と思うのだが、長谷寺へ行きたいかららしい。
 11時ジャスト、彼が改札口からではなく、街側からやって来た。以前、私が案内した老舗和菓子屋へ「上生」を買いに行ったそう。30分以上前に鎌倉着だったのか。
 長谷までは江ノ電に乗ったら5分だが、歩いて行ける距離でもある。なので、途中、鎌倉で最も古いとされている甘縄神明神社に寄り道したりして、長谷寺に着いたのは正午ちょっと前。
 アジサイの季節柄、渋谷のスクランブル交差点並みに混んでいた。3年ぶりに入った長谷寺だが、庭の手入れが良くなっている様子で、抱いていた印象が少し違う。常日頃からぼぉっと生きてるヤマサキ君も「洗練されてきたような……」と違和感を覚えたようだった。
 境内には堂がいくつもあって、仏像や地蔵も多い。そのたびに手を合わせた。私はガンで苦しむ友人の平癒を願い、ヤマサキ君はたぶん10月にある資格試験の合格祈願をやったに違いない。彼は失業保険をもらいつつ、授業料全額支給の専門学校に通っている。ハローワークと失業保険制度をうまく使うやり方は実に賢明。ヤマサキ君らしくない(笑)。
 その後、長谷の谷戸の奥まったところにある「M'sカフェ」でランチをした。客は我々以外、もう1組だけだったので、テラス席で小一時間、のんびりと会話することができた。
 さて、そろそろ出ますか。
 ヤマサキ君は「力餠」を買いに行きたいと言う。伊勢の「赤福」と似たあんこ餅で、赤福よりワンランク、品が落ちる(と思う)。
 力餠家に裏道を歩いて目指したら、江ノ電の踏切に入って結婚式の写真を撮影している花嫁花婿がいた。ヤマサキ君に「この踏切はキョンキョンと中井貴一主演の連続ドラマ『最後から二番目の恋』で毎回出て来る名所なんだぜ」と説明するも、そもそもヤマサキ君はそのドラマの存在さえ知らないものだから、ガイド役としては残念でならぬ。
 鎌倉駅からずいぶん離れちゃったなあ。
 しかし帰りも当然、歩くと決めている。
 ヤマサキ君に「どうせなら遠回りしてもいいか?」と尋ねると、もちろんですと答えたので、来た時と違う道で鎌倉駅を目指す。
 と、市役所前で突然、ヤマサキ君は両手をばたばたとクロスさせるように振り出した。タンチョウヅルならそれで空に飛び立つわけだが、ヤマサキ君、いったい何を考えているのだろう。
 ヤマサキ君はなおも手をばたばたさせてる。
 前から来た女性がヤマサキ君を見て、「あっ」と声を上げ、「ヤマサキ、こんなところになぜいる?」と詰問した。
 彼は私に「同僚だった人」と言い、それから彼女に向いて近況報告をしていた。
 いま、学校に行ってて秋に資格試験を受けるんだ。
 先々週、成績表をもらったのだけど、授業態度が良かったのですごく成績が良かった。しかし、実際のテストは劣等生の部類なので、これから試験勉強をさらに重ねなければいけない。
 その女性はふんふんと聞きながら、「落ちたらどうするん?」と聞きにくいことをズバリとヤマサキ君に質問する。
 ヤマサキ君は堂々とした態度で「落ちたら学力が足らなかったということできっぱり諦めるか、来年また受けるかしかないのではないでしょうか」と答えた。
 ヤマサキ君はその新聞社で同僚からどう見られていて、どれくらい好かれていたのかを垣間見ることができて、面白い。
 ようやく駅に着いた。その時点で1万6千歩も歩いちゃったぜ。
 ヤマサキ君と駅前で別れて帰宅。
 東京五輪やスガ&アベの話も少ししたのだけど、ヤマサキ君に鼻で笑われるくらいに下等な政治家ってどうよ。
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