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2021年06月07日20:55

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神宮スズメの独り言2021春〜50〜復興の証の大学野球

昨年秋に初めて高校野球を生観戦したのが石巻市民球場だった。昨年の高校野球において日本ではじめて有観客にて行われたのが秋季東北大会。仙台と石巻の2つの会場で行われたこの大会。ボクは鶴岡東対花巻東戦で開幕した石巻での観戦を選択した。

2日間同じ球場に行ったが帰りのバスの時間が合わず、2度とも徒歩で石巻駅まで戻ったが、そのうち1度は石巻専修大学の近くまで立ち寄った。震災によって新しくなった石巻市民球場の南側に大学はある。その東には石巻商業高校。そこから北上川を渡って帰った。秋だったので日暮れが早く駅に着いたときは暗くなっていたがいい思い出だ。

そしてその石巻専修大学が今年の全日本大学野球選手権の神宮球場における開幕試合に登場した。相手は天理大学。ユニフォームは甲子園でもおなじみの天理カラーだが、胸には漢字ではなくアルファベットでTENRI。そしてメンバーには意外にも天理高校出身の選手は少なく先発メンバーには一人もいなかった。

先攻は石巻専修。先頭打者の小川君はレフト線に落ちる安打を放つと送ってさらに四球。いきなりチャンスを迎えたが天理の先発立正大湘南出身の4年生井奥君に後続を断たれた。

その裏の天理の先頭山尾君の打球はセンター前へ。石巻専修のセンター伊藤君はスライディングキャッチの体制にはいりお腹のあたりでグラブに打球を収めたかに見えたが落球。2塁打と記録された。投手ゴロで3塁に進むと3番の友杉君のタイムリーで天理は1点を先制。2死後、四球と安打で満塁として藤森君の打球はレフト前に。これも左翼手がスライディングキャッチ体制からグラブに当てて捕球できず天理は2点を追加した。石巻専修の先発斎藤智哉君にとっては不運な初回の3失点だった。

だが、石巻専修はその後もピンチの連続ながら踏ん張る。2回は三者凡退に取るが、3回はいきなり2連打。しかし3者連続三振で無失点に切り抜けると4回は先頭を四球。ここで石巻専修は投手を渡辺君に替えて捕手の牽制で1塁走者を刺す。5回は2死1・2塁のピンチをしのぎ6回は無死1塁から送りバントを併殺。7回も無死1塁から送られたが2つの三振で無失点に抑えた。

しかし攻撃陣は援護できない。結局石巻専修は井奥君に8回まで4安打7三振に抑えられた。そして8回の裏だった。

先頭をエラーで出塁されワイルドピッチで2塁。さらに送りバントが安打となり盗塁で無死2・3塁。三振で1死を取るが内野ゴロの間に1点を追加され4−0。そして2つに四球で満塁となると打席にはこれまで4打数3安打の3番若杉君。当然外野は前進守備。そのセンターを軽々と超える3塁打で走者一掃。あっという間にコールドが成立した。

今年の3月11日にボクは石巻にいた。このところ3月には被災地めぐりをするボクは今年の震災の日を大川小学校で迎えた。非難が遅れて多くの小学生が命を落としその避難誘導をめぐっては裁判にもなったこの大川小学校は石巻市街地からはかなり離れてところにあるが、北上川のすぐ横にある学校だ。しかし海からはかなり離れている。まさかここまで津波が川を逆流してくるとは・・・・

昨年の秋には石巻市街地の北上川に架かる橋を歩き、今年の春には式典が行われている大川小学校のすぐ横の北上川を見た。どちらも穏やかな姿だったが、今日の石巻専修の戦いぶりを見て思った。

力では残念ながらかなわなかった。だが、1回に不運な失点をし最後には力尽きたこの試合の中盤の粘りに大震災を潜り抜けてきた力を見たのだ。その多くが東北出身者で占める石巻専修大学。チャンスはこない。ピンチは毎回だ。だが失点はしなかった。あと1イニング。もちろんコールドを逃れても負けただろう。だが、最後の1イニングまで戦わせてあげたかった。もちろんそれはボクの個人的な感情に他ならないのだが・・・・



2021年6月7日 第70回大学野球選手権 1回戦(於 明治神宮野球場)
石巻専修大
000 000 00 = 0
300 000 04x = 7
天理大

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