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2020年08月12日17:40

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詩とはなにか?

 正午、友人から自家製野菜と父が勤めていた軍需会社の記録集などが入った小箱が届いた。彼の手紙をまず読み、昨年に優秀賞を取ったエッセイも読み、さらに分厚い記録集にも目を通した。こういう場合、後回しにしてしまうと、どんどんと当方の乗りが悪くなるからだ。
 簡単な昼ごはんを済ませ、その1時間後に礼状を書いた。午後3時までに投函すれば、明日配達されるはずだ。
 自転車で郵便局へ行って投函。コーヒードリッパーのフィルターを買おうとダイソーに行くも三角錐のフィルターは売り切れていた。
 岩波新書7月末の新刊『コロナ後の世界を生きる――私たちの提言』を買う気まんまんで書店へ。しかし朝日新書の『コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線』、文春新書の『コロナ後の世界』はあるのに、岩波新書のみ売り切れていた。岩波新書のコロナは編者が村上陽一郎だから、単純に興味を覚えたのだった。村上さんは私が大学の一般教養で「科学史」を受講していた頃、新進気鋭の科学史家で、ええっと確か私はその「科学史」が不可で単位を落としたような(笑)。いや、可で単位をもらえたかも。いずれにしても苦手なジャンルであることに相違ない。
 なるたけ早く読みたいので、電車に乗って都会の有隣堂にでも行こう。
 本屋を出てからつい図書館に足を運んでしまった。
 読みたい本が何冊かあるのだが、返却の手間を考えると二の足を踏む。で、リサイクル本が積まれたテーブルを見てみたら、小冊子のような詩集が新品で6冊あった。鎌倉の誰かさんが寄贈でもしたのだろうか? 私も不用な本がいっぱい溜まっているので、勝手にここに置いてやろうか、などと思いつつ、その詩集『笹舟』を手に取ってみた。
 奥付を見たら書かれたかたのお名前と住所が載っていた。ええっ、私と同じ町に住んでおいでで、プロフを見ると大正9年生まれの女性。
<七十歳になった時から、その日その日の出来事を独り言のように書きつづけて参りました。現在は七十六歳。五年間書きためた中から五十篇を選んでまとめ、「笹舟」と名づけました。
 これが本当に詩と呼べるものかどうかはわかりませんが、私にとってはどの一つをとっても、書かずにはいられなかったものばかりです。(後略)
平成七年十月吉日>
 持ち帰って、50篇をざっと読んだ。
 これは純然たる詩ですよ、花子さん!
 書かずにはいられなかった、という時点でこれは詩なのです。詩に形式も目的もありません。内発的な言葉を(自分にとって気持ちよく)並べていけば、それは詩だと私は思います。
 うちの近くの神社が出てくる、お地蔵さんが出てくる、駅舎が出てくる。
 あなたの詩に私は触発され、少しばかり恥じ入りました。
 数週間前から一昨日まで、夜9時くらいになるとアオミズク(ふくろう)が「フォー、フォー、フォー」と鳴くのです。
 家の裏の山からフォーフォーと声がすると、遠くの山から同じくフォーフォーと答えます。
 しかし昨日は鳴きませんでした。どこかに飛び立ったのだろうか? 
 高校の授業で習った万葉集の一歌を私は思い出したものの、それ以上、「ああ、ふくろうだね」という思い以外に、何も思い浮かびません。
 もしあなたなら、きっと詩を書くことでしょう。
 私は詩を書けないので、せめていにしえの詩人の詩をいま謳ってみることで、なんとか生きるカタチを探っているだけなのです。
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