ながいながい

「ん〜、長いね」
「長い、確かに長い。この梅雨はホントに長い」
「勿論コロナ的なモノの影響もあるんだけどね、何かホントに長く感じるよね」
「いや、実際長えよ。もう７月も終わりなんだからな」
「そして晴れ間がほとんどないってのもね」
「ああ、コレもまた陰な気をさらに増幅させるには、効果抜群だな」
「例えば玄関扉が木の家なんかは、扉が湿気で膨らんじゃって、猛烈に開けにくくなるなんてコトもあるだろうしね」
「ん？ずいぶんと内容が具体的だが、まあいいか」
「蝉の声もまだ数えるほどしか聞いてないよ」
「地上に出る前に、カビやら菌やらにヤラレちまってんのかもしれねえな」
「今日もまた晴れマアクは遠のいて行ったし」
「おいおいおい、何だか気が滅入るような話ばっかりじゃねえかよ」
「まあでもいいコトもないわけじゃないよ」
「おっと、そんなのがあるなら、さっさと話せよ」
「最近複数種のハエトリの子どもと遭遇するのが多いコトとか、ほんのいっときだけど今日は月を拝めたコトとかさ」
「うんうん、いいねいいね」
「まあそうやって少しのいいコトを、拡大解釈って言うか大げさに受け止めてしのぐしかないでしょ、実際こんな事態なんだからさ」