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2020年07月05日23:53

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80年前の「ラノベ」

 昨日は分厚いノートに5時間近く費やして、閲覧資料名や書かれた推定年月日などを1頁1項目で書き出した。当初、パソコンを持参して、資料を見ながら打ち込もうと考えていたのだが、閲覧するのは主に昭和10年代の草稿や手紙類だ。やはり手書きがよかろう。
 これで文学館に行く準備はほぼ終わった。丸3日間を予定しているのだが、自分の体力を想うと自信がない。資料点数は200点もある。撮影もするのだが、ブレたりしないだろうかという不安もある。体力というか集中力についても、自分の能力を疑っている。
 
 今朝、テレビのニュースで熊本の集中豪雨被害を知る。災害はいつなんどき、自分に降りかかるかわからないので、他人事とは想えない。
 カフェテーブルの脇に辞書と共に置いている日本地図帳を取り出して、熊本県の地図を見た。球磨川がどんなふうに流れているのか、人吉市と芦北郡がどのあたりに位置するのか、私は知らない。
 2年前の梅雨時、九州の北部で今回と同じく線状降水帯が地域一帯を覆って、甚大な被害をもたらしたときにも、朝倉市や東峰村がどのあたりに位置するのかがわからず、地図帳を広げた。災害が起きるたび、地図帳で見てみる習慣がある。自分の想像力で以て災害の全容を少しでも把握したいと思ったら、どのあたりのどんな川や山があるのかは最低限の知識として必要となる。知ってどうする、という疑問もないではないのだが、少しでも深く記憶に留めておきたいし、とりあえず自分の頭で考えたいとも思う。
 午後2時過ぎ、雨が完全にあがった。
 普段より少し早い時間だが、ラズリと散歩に出た。
 うちの近くはまだ未舗装の道があったりして、道路上に小さな川が出来ていた。ラズリは足が濡れるのを嫌がる性質ゆえ、避けようとコースを変えたり、水の流れを飛んだりする。見ていて面白い。
 帰宅する頃になると晴れてきた。
 旅用の文庫を求めてブックオフへ行くことにする。
 永井荷風の『墨東綺譚』(岩波文庫)を買った。昭和11年の作、にもかかわらず、挿絵が多数入っている。まるでラノベのようだ(笑)。精緻な線画もあれば、墨汁で描かれたような絵もあって、度肝を抜かれた。これは電車の友、ビジネスホテルの友になりそう。
 以前に坂口安吾の『肝臓先生』という短編集を同じく旅用に買っていたので、この2冊で決定!
 こんな文庫を手にできたのだから、すこぶる機嫌がよくなった。
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